【いつでも80台で回りたい!】#2「コースを“俯瞰する”」マネジメントの第一歩
「いつでも80台」を実現するにはどうすればいいのか。まずはコースマネジメントの考え方について、2人のトップアマに話を聞いた。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/小倉CC、嵐山CC
●CONTENTS●
#1 攻め方よりも“逃げ方”を学ぼう
#2 マネジメントの肝は“コースを俯瞰”
#3 ミスしたら「ボギーモード」に切り替える
#4 “低い球”を覚えるとスコアがまとまる
#5 セカンドショットの番手選びの注意点
目の前のボールだけに
とらわれていませんか?
尾家清孝さん(63歳・HC0)
1989年日本アマチャンピオン。ナショナルチームでも活躍した日本アマチュア界のレジェンド。徹底した“アマチュア思考”の持ち主
尾家さんが大事だと語る「コースを俯瞰する」とは、たとえば、プレー後何日か経って、「この間回ったコースが好きだな」と思ったなら、それもコースを俯瞰できているということ。大事なのは、目の前のボールだけに心を奪われないこと。
「80台を目指そうという人は、ゴルフの楽しさを十分に理解した、『ゴルフの虫』に噛みつかれた人が多いはず。だから、プレー前日にワクワクする、あの気持ちを大事にしてほしいんです。そうすれば、事前にコースレイアウトをチェックしたり、スタート90分前にはコース入りしたりということが『身構え』として当たり前になりますから」と尾家さん。身構えが十分なら、コースを観察する余裕が生まれ、戦略上のワナにも気づくことができる。自分の球筋と照らし合わせて、ベストルートを導くことも可能になるというワケだ。
尾池流ティーショットマネジメント
「最も曲がらない球と最も曲がる球で“長方形”を作る」
【モデルホール】
小倉CC 1番ホール
378Y パー4
バックティーから200Y付近から右にドッグレッグするスタートホール右サイドに大きな池がありプレッシャーがかかる
「対角線には打たない」
フェードヒッターはティーイングエリアの右サイドからフェアウェイ左サイドを狙うのがセオリーと言われるが、尾家さんはあえて左サイドから真っすぐ打ち出して狙っていくという。上の図のように、最も曲がらなかった場合の到達点と、最も曲がった場合の到達点を想定し、長方形をイメージ。その左の辺に打ち出していくことで、通常通りのフェードが打てればフェアウェイセンター。たとえフェードがかからず真っすぐ行ったとしても左サイドに球が残り、逆にフェードがかかりすぎて最大限曲がった場合でも、右の池につかまることはない。コースを俯瞰して見られていると同時に、自分の球筋の特徴、最大の曲がり幅をしっかりと把握できているからこそのマネジメントだ。
ティーマークの向きにも注意
狙いや球筋によって打ち出していく方向は人それぞれ。ティーマークを結ぶラインが、必ずしも自分の打ちたい方向と正対しているとは限らない。ティーマークの向きに惑わされないように注意しよう
余裕をもって本番に臨むために…
「事前の準備も重要です」
【尾家さんの準備1】前日にホールレイアウトをチェック
ホームページ上で各ホールのレイアウトを詳細に紹介しているコースも多い。事前にコースの状況を知っておけば、当日に収集する情報は少なくてすむ
【尾家さんの準備2】90分前にコースに到着
スタート時間ギリギリにコースに到着するなんて、もってのほか。できれば90分前には到着し、クラブハウスからコースを眺め、その日のプレーに思いをはせたい
【尾家さんの準備3】練習の前にまずくつろぐ
90分前にコース入りするのは、コーヒーを飲み、着替えを済ませてもまだスタートまでの余裕を残すため。「落ち着いている自分」をあえて演じたうえで、おもむろに練習を開始する
「上りの真っすぐ」のラインを見つけて逆算
髙橋雅也さん(51歳・HC0)
たかはしまさや。今年の日本アマにも出場したトップアマ。日本ミッドアマを2度(08年、14年)制覇している
関東を代表するトップアマ・髙橋雅也さんは、グリーンから逆算してマネジメントするようにしているという。
まず、カップ位置に対して「上りの真っすぐ」になるエリアをゴールとして、そこを狙いやすいフェアウェイの地点はどこか、その地点にボールを運ぶにはティーイングエリアからどう狙っていくか……というふうに、グリーンから逆算してルートを決めていく。
Step1
グリーンから逆算して狙いどころを設定
まず、グリーン上の「上りの真っすぐ」が残るエリアを基点とし、池やバンカーなどのハザードを避けられるエリアを設定する。続いて1打目も、ハザードを避けられるエリアを設定し、2つのエリアが重なった場所を狙いどころに設定する
Step2
ティーイングエリアの立ち位置を決める
グリーンを狙いやすいエリアが決まったら、そこをティーイングエリアからどう狙うかを考える。ハザードがライン上にかからず、フェアウェイをもっとも広く使える場所から打つ
距離のあるセカンドはグリーン周りに置ければOK
残り距離が長くなるほどショット精度が落ちるのは避けられないため、グリーン周辺に飛べばいいという気持ちも必要。そこから必死にボギーを狙っていく
月刊ゴルフダイジェスト2022年10月号より