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【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol. 1「どスライスがあっという間にパワーフェードに!?」

ラグビー元日本代表の大畑大介と高校のクラスメイト上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったように見えたが「あれは本番ではなかった」と言い張る大畑。渋野日向子を育てた名コーチ、青木翔を“専属コーチ”に任命し、上原の知らぬうちにこっそり再修行開始。しかし、大畑よ、この雑誌は上原も毎週読んでいるらしいぞ。

ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/六甲国際GC

「待ってろ、ウエハラ!」シーズン1はこちら

オレは人生で負けたことがない。勝負事でたまたま勝てなかったこともあるけど、それは負けというより、次に勝つときへのステップアップ。前回の対戦で上原に負けたみたいになってるけど、あれはたまたまオレとあいつのラウンドに取材の人が来て、たまたまオレのスコアが悪かっただけ。つまり、本番はこれからってこと。
この前、上原とテレビの出演で一緒になったんやけど「絶対に負けるのは嫌や。もし自分が負けても勝つまでやり続ける」なんて言うから「オレが勝ってしまうんだから、2日くらいスケジュール空けといたほうがいいぞ」って返しといたわ。
そんな大口を叩いてしまったからには、何回勝負しても勝てるくらいの準備をしとかないとあかん。というわけで、前回も教えを乞うた青木翔コーチに秘策を練ってきてもらった。待ってろ、上原!


この対決をテレビ放送するって本気か⁉

――再戦に向け動き出した大畑と青木コーチ。が、練習場の様子が何やらいつもと違う。

大畑 なんか今日スタッフの人、多くないか!?

青木 2人の対決をテレビでやるみたいですよ。練習も密着するって聞いてます。

大畑 やっぱりオレのレベルになると、同級生との対決でもメイウェザー戦みたいな注目度になるのか……。

青木 僕もコーチとして同じ相手に負けるわけにはいかないので秘策を考えてきました。

大畑 そういうの、あるなら最初から出してほしいわ。で、秘策って?

青木 ズバリ、得意を伸ばしまくります。ドライバー、アイアン、アプローチ、パットの各分野で持っている強みを強化します。初回はドライバー。

“ど”スライスをパワーフェードに

大畑 オレ、結構飛ぶけど、何を伸ばすの?

青木 持ち球のスライスは変えず、曲がりの幅を抑えることで飛距離を伸ばします。

大畑 振れば振るほど曲がり幅が大きくなるんだよな。

青木 それは軸がブレてるからです。

大畑 軸ね。ゴルフ雑誌で1万回は見たわ。背骨を中心に回るのを意識したことあるけど、全然振れなくて飛ばないしチーピンしか出ないからやめた。

青木 それは軸の意識の仕方が間違っていただけ。まず、大畑さんがどこに軸があるのか確かめましょう。ドライバーをひざ上に当てて、何も意識せずにテークバックしてみてください。これで左軸、センター軸、右軸の3タイプがわかるんですが、大畑さんはセンター軸ですね。両足の真ん中にボールを置くので、背骨とか、首の付け根とかを意識せず、これが中心だと思って振ってみてください。

クラブをひざ上に当ててテークバックしたところ(写真右)大畑はセンター軸タイプと判明。両足の真ん中にボールを置いてスウィングしてみると体の真ん中の軸がなんとなくわかる。

――疑心暗鬼の大畑。だが、ボールを置いて振ったスウィングから放たれた打球は、デシャンボーばりの強弾道で290ヤード先の林に消えていった。

大畑 なんじゃこりゃ! ボールをスタンスの真ん中に置いただけなのに。毎ホール、ボールを置くだけでスライス幅が小さくなるのか。チョロイぞ。

青木 これはあくまで練習用です。軸を作るとき、背骨とか右サイドとか体の中に長い棒をイメージしがち。それだと大畑さんのように動きを制約しすぎます。だから、漠然と意識できるように体の外にイメージを作ったんです。

大畑 なるほどね。あとは、どこか気になったとこある?

青木 アドレスの状態で重心が前にかかってしまっていますね。つま先体重では、すぐに動き出すことが難しい。脱力し、いつでも動けるような状態をキープするのがゴルフのスウィング。ただ、グリップはもっとしっかり握ってOK!

大畑 え? 脱力じゃないの?

青木 今は、単にグリップの力を弱めちゃってるだけ。軸とクラブをしっかり持つことを意識して。あとは思い切り左に振り抜く

大畑 おぉ、グリップには力を入れたのにすげー脱力感。この腕が振られる感じは初めて。

青木 締めるところと抜くところを作ることが大事。軸とグリップで締めるところを作ってそれができたんですね。

え、脱力ってグリップを緩ーくすることじゃないん!?

――曲がる飛ばし屋から、曲がらない超飛ばし屋に進化した大畑。次回はアイアン編で“大畑のアイアンマン化”を推し進める。

【今週のバージョンアップ】
“軸”と、クラブをしっかり持つことを
意識したら、ほんとうの脱力感がわかった!

令和の武蔵になる!

オオハタダイスケ

大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ゴルフのベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語する強メンタル&フィジカルでゴルフ修行フェーズ2へ

迎え撃つは

ウエハラコウジ

上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。大畑の挑戦に一度は“勝利”したが……

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月19日号より

CS放送のGAORAでは「大畑大介×青木翔 レッツトライゴルフ! ~待ってろ上原~」が7月5日からオンエア開始(火曜日23時30分~23時45分 ※再放送あり)