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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.27「5ヤードのアプローチ、上手く打てますか?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ちょっと質問。普段のラウンドで、『5ヤードのアプローチをいつも成功させる自信ありますか?』

そんなの簡単! と思われる方もいるかもしれない。でも、現実は違う。いざ、5ヤードのアプローチに直面すると、ザックリやトップが出て、意外と乗らないことも多い。

なんでだろう!? いくらライが悪かろうが、グリーンが小さかろうが、練習不足だろうが、5ヤードだよ? 空振りさえせず、普通に当たれば、寄らないまでもグリーンには乗るはず。

でも、乗らない。ボクも昔、絶対に乗らないときがあった。だからこそわかる。ゴルフは簡単であればあるほど難しいのだ。

最大の理由は、やはり球を打ちにいってしまうことだろう。そうすると、インパクト手前でシャフトが必要以上にしなり(アプローチなどの短い距離でもシャフトはしなっている)、タイミングが合わないとザックリやトップになる。それを防ぐために、ボクは腕の脱力を心がけた。腕でクラブを操作するとミスをするので、腕は「無」とし、クラブだけに仕事をさせるようにした。アドレスでの力加減は、グリップ100:腕0のイメージ。そして、インパクト=ボール、ではなく、インパクト=フォロー、と自分に言い聞かせた。結果、打ちにいくことがなくなりミスが激減した。

と言われても……ね。すぐに実践できるほど、甘くはない。でも、ボクの言うことに興味を持ったなら、ぜひ次のような練習をし、その真意を体感してほしい。

まず、練習に協力してくれる相棒を調達し、正面に立ってもらう。なるべく腕の力を抜いてアドレスしたら(ボール位置は中央)、相棒にシャフトをスッと持ち上げてもらい、腰の高さでそれをパッと離してもらう(イラスト参照)。他人にクラブを上げてもらい、パッと力を抜かれると、クラブはどうなるか?

初めは素振りでもいい。腕の力が抜ける感覚がつかめるまで繰り返し行う

ヘッドがストンと落ち、意識せずともボールに当たる。あとは、自分がイメージしたインパクト、つまりフォローをとるだけ。かなりいい感触で当たるはずだ。一生懸命キレイに当てようとしたときよりよっぽど結果もいい。たった5ヤードで、ヘッドを腰まで上げたら飛びすぎじゃない? と思うかもしれないが、変にパンチが入らないので、ボクの場合、58度のクラブを使って、ちょうどいい。

最初はうまくいかないかもしれない。でも、腕の力を抜くことさえクリアできれば、実に簡単である。だって、何もしなくていいのだから。ぜひその簡単さを感じてほしい。

この練習を繰り返した後に、もう一度、冒頭の質問に向き合ってみよう。きっと、大抵の人が胸を張って、「自信ある」って答えるんじゃないかな。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年5月23日号より