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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.26「ヘッド速度が上がる! “タオル”素振り」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

野球、テニス、剣道……道具を使うスポーツは素振りが重要だといわれる。もちろんゴルフにおいても、素振りは重要であるはず。しかし、ゴルフの練習というと、実際に練習場に行って球を打つことをメインとしている人が多いだろう。

ボクも普通の素振りは、ほとんどやらない。10回でお腹いっぱいになる。ゴルフは、ボールをたくさん打てば打つだけうまくなるものでないことは、皆さんも実感しておられると思う。素振りだって一緒だ。ただ闇雲に振ればいいってものでもないと思う。よく“素振り1000回”って言うけど、回数を目的としたものなら、やらなくてもいい。どうせ体を動かすなら、意味のあるものを目指したい。

例えば、スウィングの確立を目指すなら──そもそもの動きが間違っていたら、素振りをすることでヘタを固めることにもなりかねない。それを避ける意味でもボクは素振りの動画を撮ることがある。打撃練習のときに撮ったスウィング動画を見て、「えー、こんな変なスウィングなの?」とショックを受けたことはないだろうか? しかし、それで凹んでいるようでは甘い。素振りの動画は、その何倍もショックを受けるので、覚悟して見たほうがいい。

「素振りですらこんな変なスウィングなんだから、本チャンは推して知るべし」

ボクも何度、そう思ったことか。でも、何かしら気づきがあるのは、いいこと。少なくとも、ただ汗を流すだけの素振りにはなっていない。

また、ヘッドスピードアップを目指すなら── おすすめはタオル素振りである。よくあるタオルの端っこを結ぶやつでしょ? と思いきや、ボクは何でも変則バージョンが好きなので、端っこもあえてヒラヒラのままで行う。使うタオルもフェイスタオルではなく、より扱いにくいバスタオルがよい。

まず、タオルの端を握り、トップをつくりタオルを肩にかける。このとき、もう片方の端っこ(ヒラヒラ)が左のわき腹に巻きつくようにする。そこから、グワーンと腕を振り、フィニッシュをとる。ここで、ヒラヒラが右のわき腹にクルリンと巻きつくか否かがポイントだ。

タオルが体に巻きつくように振る。コツは全身の力を抜き、体だけを回転させること。フェイスタオルよりも長いバスタオルを使うのがオススメだ

きれいに巻きつけば、インパクト以降もヘッドが走っている証拠。巻きつかず、ダラ~ンと垂れさがってしまった人は、ヘッドが走っていないということだ。飛距離を伸ばすには、インパクト以降もヘッドを走らせる感覚が重要なので、この素振りで体感してみてほしい。タオルはクラブよりも軽いので、余計な力が入っていると綺麗に振れない。先端がヒラヒラだとなおさら、力づくではなしえないことがわかるだろう。それをうまく走らせてこそ、ヘッドスピードアップにつながるのだ。

ただし、ラウンド前日や直前に行うと、クラブヘッドの重さに違和感が出るのでご注意を。やるならプレー後がいいかな。

練習場の息子としては、球をたくさん打ってくれたほうが嬉しいけれど、たまにはこうした素振りも悪くないんちゃう?


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年5月9・16日合併号より