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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.22「距離を打ち分ける技術がアップ『8Iで100Y』練」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

うちの練習場にはショートコースがついている。親父はよくそこで、お客さんとラウンドを楽しんでいる。ボクもときどき、仲間に入れてもらうと、攻め方など、親父から学ぶことも多い。

例えば、ピンが2段グリーンの上に切ってあり、距離がちょうど120ヤードだった場合……皆さんはどう攻めるだろうか? おそらく、PWのフルショットが120ヤードの人なら、迷わずPWを選択するだろう。

しかし、親父の答えは違う。あえて9番を持ち、122ヤードを狙うのだ。理由は──PWできっちり120ヤードを打つと、バックスピンで戻りショートする。かといって、9番で普通に打つとオーバーする。ならば、9番で122ヤード打つのが最善、というわけだ。もちろん、2ヤードきっちり打ち分けられるわけではない。ちょっとした加減で123ヤード、124ヤードになることもある。だとしても、グリーンオーバーするほどのミスにはならない。また、PWよりも軽めに振るので、バックスピンもかかりにくい。従って2段グリーンの下に落ちることもない。

確かに、親父は“アイアンマン”の異名を持つほどアイアンがうまい。だからといって、特別なことをしているわけではない。全国大会に出場経験のあるゴルファーで、残りヤードに対し、フルショットのクラブを選択する人はまずいないといっていい。もちろん、ボクも。

そんなこと言われても、アベレージゴルファーに2ヤードの打ち分けなんて無理、と諦めるのはもったいない。

2ヤードはあくまで例え。重要なのは、番手を上げて軽く打つことができるかどうかだ。

7Iのフルショットが150ヤードの場合、残り150ヤードで7Iを持ったらミスが許されない。でも、6Iや5Uで軽く打つことができれば、少々ミスしても、アゲンストでも、グリーンに乗る可能性はある。この差はデカイ。そんなことわかってるという人も多いだろう。しかし、実際はフルショットの練習しかしていない人がほとんどだ。それだとコースで成功させられる確率は非常に低い。

そこで、やってみてほしいのが、100ヤードをAWではなく8Iで打つ練習だ。

大きい番手で距離を落とすにはどうすればいいか? 答えは簡単。ヘッドスピードを落とせばいい。といっても、力を抜くわけではない。インパクトはあくまでしっかりが基本だ。ボクはスウィングをコンパクトにし、ヘッドの最下点ちょい手前で当てるイメージで打っている。ロフトが立ち気味でインパクトするので、低いライナー性の球筋となる。逆のアプローチでもいい。長いクラブで低い球を打つ練習をすれば、おのずとスウィングも構築されるだろう。

最初はボクもうまくいかなかった。でも今では、100ヤードの看板があったら『8Iで看板のすぐ後ろ』とか『9Iで看板の2ヤード手前』とか、番手ごとにマニアックな狙いを定め、まさに遊び感覚で楽しんでいる。

100ヤードきっちり打つ練習をするのではなく、その前後2ヤードを狙うような遊び感覚の練習が大事。8Iで行うことで、低い球が自然に身につく


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年4月11日号より