「時には冒険も必要」申ジエに聞こう! ショット&ショートゲーム編
20-21シーズンも4勝を挙げた、世界ランク1位経験者・申ジエ。衰えないプレーぶりもさることながら、含蓄に富んだ言葉の数々は、プロアマ問わず多くのゴルファーに福音をもたらしてきた。今回は週刊ゴルフダイジェスト1月4日号に掲載された申ジエへの41の質問の中から、技術に関する話題をピックアップ。ゴルフの大事が詰まった深い言葉に耳を傾けよう。
PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara
【ショット編】
Q. スウィングで一番気をつけていることは?
A. リズムとイメージを大事にしています。練習場とコースでは目的が違っていて、練習場ではきちんとクラブに“当てる”ということも必要ですが、コースだと目標に対するイメージが大事になる。練習場のように、スウィングづくりがコースでも目的になっている方がいらっしゃるんです。
Q. 感覚を磨くには、どうしたらいいですか?
A. 私は感覚を養うため、ジュニア時代に父と練習しました。たとえば101Y打てというのに100Yにしかいかない。その1Yに差がある。それをいかに練習で補っていくか。1日練習をしなければ自分でわかるし、2日しなければ見ている人にわかる。3日しなければ世間にわかってしまう。感覚を磨くには、毎日やり続けて補うしかないと思います。
Q. 練習のポイントは何ですか?
A. 10球打って10球がいい当たりをするのが練習場での良い練習ですが、コースに行ったら10球で3、4球上手くいくかどうか。だからこそ一定した動きを繰り返しやって身につけるのは大事です。クラブも、1、2本を決めてそれを繰り返し練習していくことが大切。私もそういう練習をしていました。
Q. とにかく曲がります。正確なショットを打つには?
A. 目標をもう少し狭く、細かく決めるのも1つの方法です。1本の木を目標にしてみたり、フェアウェイの芝のカットラインを目標にしてみたり。どうやって攻略していけばいいかという目標がはっきりしますし、そうしてイメージを描くことで、それに応じて体が反応してくれるようになります。
【ショートゲーム編】
Q. アプローチはいろいろな技が必要ですか?
A. 自信を持っている1つがあれば、それが最高の武器になります。ただ、「守る」ということであれば、それがいいと思いますが、狙って入れる、難しいけどやってみるなど「冒険」が必要なときもある。プロは最小限にスコアを減らしていくのが仕事ですが、アマチュアはそれ以上多く打たないということが目標。それによって守るか冒険するかをきちんと見極めてやっていくといいですよ。たとえば競技ゴルファーなら、熱意もあり練習もしているので、いろんな経験を通じて成功と失敗をしたほうがいい。やっていないとやらなくなりますから。
Q. パットが上達する練習法は?
A. パッティングが上手になるには距離感がポイント。私は距離感を振り幅やインパクトの強さなどで考えたことがありません。ショットと同じでパットも手では打ちません。肩を利用して手の力は抜く。だから距離感は練習してつくります。振り幅だとグリーンによっても変わってくる。ショット同様、イメージを描いて繰り返し練習するしかないです。私はパッティンググリーンにいけばまず20m以上の長い距離から練習します。また、10mを10球同じ場所に止まるように打つ練習も必要。もし思うようなスピード感が出なければ、私は5時間も6時間もグリーンにいますよ。皆さんはスタート前に5分くらい打って「距離感が合わない」と言いますが、それで合うなら私たちよりもっと天才です(笑)。
Q. バンカーショットが苦手です。コツを教えてください
A. ボールを上げなければならないというのが1つの目標ですが、体とクラブを低くすればボールは高く上がります。アマチュアの方は、ボールを上げたくて先に体と頭が上がってしまいますよね。
週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より
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