【飛ばしは“上半身”】#3 胸を大きく回すコツは「左手を遠くに上げる」こと。65歳で250Y! 鉄人アマの気づき
飛距離アップには、上半身の3つの部位「お腹」「胸」「背中」の使い方が大事だという。今回はそのひとつ「胸」の回し方について。関東シニアを制した65歳の鉄人アマ・堀江隆さんに、胸を大きく回すためのコツを聞いた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki THANKS/マナゴルフクラブ
堀江隆さん
ほりえたかし。65歳、HC0。25歳からゴルフを始め、茨城県の大会で数々の成績を残す。今年の関東シニアも制した鉄人アマチュア
●CONTENTS●
>>#1 回転力アップのキモは「上半身」
>>#2 始動は「お腹」から
>>#3 「胸」を大きく回すコツ
>>#4 飛ばし屋に学ぶ「背中」使い
胸を意識せずにいかに胸を回せるか
21年の「関東シニアゴルフ選手権」を制した堀江隆さん。若々しいスウィングの秘訣を聞くと、「左手をできるだけ遠くに上げること」だという。
「左手を、自分の右斜め後ろに上げようとすると、自然に胸も回りますよね。右後ろにモノを放り投げるイメージ。この方向以外(たとえば、右前方)に左手を上げても胸は全然回転しません。胸が回ると、トップで『間』ができて、打ち急がなくなるのでミスが減らせます。それだけでなく、インパクトまでの助走距離を長く取れるので、飛距離的にも有利なんです」と、堀江さん。胸を回すために、胸そのものを意識するのではなく、左手を上げる方向を意識することで、力まずスムーズに体を回すことができるというわけだ。
胸を回すメリット1
トップで間ができて打ち急ぎがなくなる
胸を回すメリット 2
助走距離を長くできる
遠くに上げれば手上げにならない
左手をできるだけ「遠くに」上げるように意識することで、胸が連動してしっかりと体を回すことができる
【CHECK】
いいトップのときは左腰辺りに張りがある
胸がちゃんと回っているか、セルフチェックできるポイントを持つことが大事。堀江さんは、左腰辺りに「張り」を感じると、しっかり回れているという
ボールを見ないことにデメリットはない
胸を回すことのメリットはわかったが、ひとつ懸念材料があるとすれば、胸を回そうとするほど、テークバック途中でボールから目が離れてしまうこと。しかし堀江さんは、「そもそも、ボールなんてどうして見る必要があるんだろう」と疑問を呈する。「素振りのときには、ボールがないからスムーズに振れますよね? だったら本番もその意識でやったほうが絶対にいい。ボールを『見よう』とすると、どうしてもそれが『当てたい』とか、『しっかり打ちたい』につながって、力みやミスの原因になる。私自身は、トップでほとんどボールは見えていなくて、『ぼんやりそこにある』程度の認識ですが、ほとんどの人はそれで十分だと思います」
もちろん、ボールを見たままでも、しっかり体(胸)を回せる柔軟性があるなら、ずっと見ていて問題ない。ただし、ほとんどの場合は、「見続けようとする」ほうがデメリットが大きくなるのだ。
「ボールをしっかり見る」ことの弊害は大きい
弊害1
胸の回転量が少なくなる
左サイドを強く側屈させ(わき腹を縮め)ないと、トップでボールを見るのは難しい。側屈ができなければ、軸を傾けるか、回転を浅くするしかなくなってしまう
弊害2
当てようとして力みにつながる
アドレスの姿勢でさえ、ボールをずっと見続けると腕や肩に力が入りやすい。これは、ボールが見えることで、「当てたい」気持ちが高まるから
Point 1
ボールではなくヘッドを見る
テークバックでヘッドを目で追うと、胸の回転がスムーズになるだけでなく、ヘッドの通り道を明確にイメージしやすくなる効果がある
Point 2
素振りのときのように目線も自然に動かす
堀江さんの250Yスウィング
>>#2 始動は「お腹」から
>>#3 「胸」を大きく回すコツ
>>#4 飛ばし屋に学ぶ「背中」使い
月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より