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「目玉」「アゴ」「左下がり」覚えておけば怖くない! 状況別・バンカーの難ライ攻略法

バンカーはただでさえやっかいなのに、ライが悪いともうお手上げ……。でも、ピンに寄せるのは難しくても、出すだけならなんとかなる。ケガを最小限に食い止めるため、それぞれのライの正しい対処法を覚えておこう!

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/京葉CC

解説/今野康晴
切れ味鋭いショットと正確なウェッジワークを武器にツアー通算7勝の48歳。現在は、アマチュアへのラウンドレッスンも行い、アマチュアゴルファーの苦手分野を熟知している

CASE 1
目玉のライ

コックを使って鋭角に入れる

バンカーの難しいライ、まずは定番の「目玉」から。

「目玉からの打ち方は、手首を使い、ヘッドを『V字』に動かして、上からドカンと打ち込むというのが基本です。この打ち方だと、高さは出しやすいのですが、距離はあまり出ません。ですので、ボールがグリーンから遠ざかるほど難易度が高くなります。確実にバンカーを脱出できる距離を出すには、ある程度、振り幅を大きくする必要がありますが、大きく振るほど落ちてからのランは多くなります。つまり、グリーンエッジからピンまでの距離が近いと、さらに難易度が上がるということです。状況によっては『寄せる』ことを一旦あきらめて、安全にグリーンに乗せ、3~4メートルのパットを頑張るというのが、最善の選択肢となることもあります」

と、今野。また目玉の場合、フェースを開くかどうかは、あまり気にしなくていいという。

「フェースを開いても閉じても、『V字』に打つのは同じ。また、無理にフォローは出さずに、打って終わりでOKです」

Point 1
フェースは開いても閉じてもOK

Point 2
手首のコックを使う

バンカーの難しいライでは、手首を使って「V字」に打つというのが基本。手首の動きを抑えると、軌道が「U字」に近くなり、難しいライに対応できない

Point 3
ヘッドをボールの下に届かせることが肝心

ヘッドを上からドスンと入れて、ボールの下に届かせる。ヘッドを横から入れると、ソールが砂に弾かれてトップしてしまう

CASE 2
アゴの下にボールが刺さっている

上げようとすると上がりすぎる

多くのアマチュアが「最難関」と感じるであろう、アゴに刺さった目玉。だが意外にも、「実はそこまで難しくない」と、今野は言う。理由は、左足上がりの傾斜にあり、普通に打てばボールは上がってくれるから。


「アゴに近い場合は、距離を出すのはほぼ不可能で、とにかく上げるしかありません。ただ、ボールの横からヘッドをぶつけるだけでも、斜面に対してはかなり鋭角な入射角となるので、それだけでヘッドが砂に深く入り、ボールは上がってくれます。むしろ、『上げなきゃ』と思って、右肩を下げて構えてしまうと、インパクト時のフェース面がほぼ真上を向いてしまい、上に上がるだけでバンカーから出ない可能性があります。アゴから少し離れている場合は、ある程度距離も出したいので、ボールを少し右足寄りにします。打ち方は同じで大丈夫です」(今野)

Point 1
右足に全部の体重を乗せ重心は真ん中に

傾斜のライの基本として、低くなるほうの足にほとんどの体重をかけて構えるが、軸を傾けて重心も偏るとヘッドが手前に入りすぎてしまう。重心は体の真ん中付近に保つ

Point 2
ボール1個分手前にヘッドを入れていく

ヘッドを落とす位置は、どんなライでも「ボール1個分手前」。手前に入りすぎると、脱出にものすごいパワーが必要になる

CASE 3
つま先下がりのライ

重心を下げれば手打ちでもいい

「つま先下がり」と「つま先上がり」を比べると、「つま先下がりのほうが圧倒的に楽」と今野。バンカーに限らず、つま先下がりはしっかりと重心さえ下げれば、あとは「手打ち」でいいからだ。

「基本のバンカーショットを、少し大げさにするのが、つま先下がりの打ち方と言えます。ポイントは少しスタンスを広げて、しっかり腰を落とすことと、クラブを長く持って、ボールに届きやすくすることの2つだけ。スタンスを広げるのは、スタンスが狭いと、腰を落としたときにひざが邪魔になるから。アドレスの形がほぼインパクトの形になるので、手先でサッとクラブを上げて、アドレスの形に戻すイメージで打つとうまくいきます。むしろ、体を使って打とうとすると、インパクト位置がバラバラになりやすいので、かえって難しくなります」(今野)

Point 1
ひざを曲げて、腰を落とす。
この構えをキープして振る

大事なのは腰を落として、重心を下げること。スウィング中は重心を上下動させない。グリップは長く持つと、ボールに届きやすい

Point 2
基本的に「手打ち」でOK

アドレスが正しければ、あとは手先だけでクラブを上げ下げする感じでいい。体を使って打とうとすると、重心が左右に揺れて、ヘッドが正確に入らなくなる

CASE 4
左足下がりのライ

左足体重で傾斜なりに振る

左足下がりは、フェアウェイからでも難しいが、バンカーからだと難易度はさらに増す。「バンカーの中でも、左足下がりはいちばん難しいライと言えます」と今野。左足下がりの難しさは、何といってもボールが上がりにくいこと。

「傾斜なりに左足体重で、左肩をやや下げて構えたら、そのまま傾斜に沿ってヘッドを振り下ろすように打ちます。下り傾斜の分、ウェッジのロフトが立ってボールが低く出ますが、それ以上、上げようとするのはNGです。ボールの後ろの砂が高くなっているので、ちょっとでも上げにいくと、砂を深く取りすぎてまったくボールが飛ばなくなるからです」

ヘッドを「V字」に動かして、ボールに対してアウトからヘッドを落とすという基本は変わらない。ただし、ボール位置は通常のバンカーショットより、やや右足寄りに置いてもいい。そのほうが、斜面に対してヘッドを鋭角に下ろしやすくなるからだ。

「もし、グリーン側のあごが高い場合は、フェースを開けるだけ開いてロフトを増やすしかありません。高いあごを越えなきゃいけない状況で、万が一、目玉になっていたらノーチャンス。その場合は、ピン方向以外に打つか、バンカー内に1回出すというのも手です」

Point 1
肩、腰のラインを斜面と平行に

傾斜に対して垂直に立つイメージで、腰、肩のラインを斜面と平行にする。体重はほぼ左足だけにかかるので、右足はただそこに置いておくだけ。体重移動は一切せず、ずっと左足重心のまま打っていく

Point 2
右上から左下の感覚で傾斜に沿って振っていく

他のライの「V字」は、インパクト後に手首を使ってヘッドを跳ね上げるように打つが、左足下がりに限っては、ずっとアウト-イン軌道で「右上から左下」にヘッドを振っていく。フォローも意識して長めに出す

CASE 5
つま先上がりのライ

このライだけは「手打ち」が通用しない

つま先下がりより、つま先上がりのほうが難しい理由は、ボールの高さを正確にトレースしないと、(重力でヘッドが落ちて)砂に深く刺さりやすいから。

「他のライはある程度、手先で打っていいのですが、このライだけは体幹を使って打ちます。また、カットに打つと、うまく当たった場合、必ず左に飛んでしまいます。そこで、フェースを少し開いておいて、ターゲットに対してストレートにヘッドを動かすイメージで打ちます」と今野。基本的に、スタンスはスクエアに。オープンに立つと、左足下がりの要素が加わってさらに難しくなってしまうのでNG。逆に、やや右を向くのはOKだ。

「右を向いて構えると、左足上がりの要素が加わる分、ヘッドの入る位置に若干の許容範囲が生まれます。スクエアに立つよりやさしくなるんです」

Point 1
スタンスは目標に対してスクエア

スクエアに構えて、ヘッドをストレートに振っていくのが基本。つま先上がりの分、普通に構えるとロフトが左を向くので、フェースはやや開いておく

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月28日号より

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