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業師・池田勇太が特別伝授! “砂イチ”が取れるバンカーショット

PHOTO/Hiroyuki Okazawa TEXT/Yumiko Shigetomi

鋭い感性から放たれる多彩なショットが持ち味の池田勇太。その真骨頂といえば、どんなところからでもピタッと寄せるバンカーショット。果たしてどんなイメージで打っているのか。その極意を特別に教えてもらった。

解説/池田勇太
1985年生まれ。千葉県出身。13年賞金王。19年はミズノオープンで21勝目を挙げた。09年から11年連続で優勝を果たした実力者

速く振る! けど球は飛ばさない

なぜ、池田勇太はバンカーからでも手で投げるようにいとも簡単に寄せられるのか。その疑問を率直にぶつけてみると……。

池田 アマチュアの人たちのバンカーショットは出すことしか考えてないから“距離感”がないよね。バンカーでもアプローチと同じように10Yはこう打つ、30 Yはこう打つっていう自分の目安の距離がないと当然寄らないでしょ。

――バンカーショットの距離感はどう出すのか?

池田 僕の場合、バンカーショットは基本的にピンの根元に落とすんだよ。だからランの計算はしないでキャリーだけで距離感を作る。トーナメントですごく硬いグリーンのときは別だけど、普通のゴルフ場なら高く上げれば止まるからね。でもそのために必要なのが、速く振ること。バンカーはヘッドスピードを上げて振るけど球は飛ばさないっていうのが極意なんだよ。

――アマチュアはホームランが怖くてなかなか速く振れないことが多いが、それが問題だったのか……。

池田 ボールじゃなくて手前の砂を打つことをちゃんと意識して、この重い砂を飛ばすって思えば速く振れるよ。フェースを開いて速く振れば球が上がるから、ピンをデッドに狙っていける。そうすれば距離感も作りやすくなるから寄る確率が上がるよ。

――速く振るってことはフルスウィングする?

池田 振り幅は小さくても速く振るんだよ。インパクトで手元だけブレーキをかけて止めるようにすれば、ヘッドだけビュンって前に出るでしょ? それがヘッドスピードを上げて、速く振るコツだよ。

手元はインパクトの位置からほとんど変わってないのに、ヘッドだけビュンと走って球を追い越している

ピンまで20Y 基本のバンカーショット

速く振るほど高く上がって
スピンもかかる

――インパクトで手元を止めればヘッドが走るっていうけど、やったことないからちょっと難しそう……。

池田 ヘッドを走らせるためには左右の手のそれぞれの使い方があるんだよ。まずバックスウィングは左手主体で上げる。そしてインパクトは両手で打つ。それで打った瞬間に左手を緩めてフォローは右手で振る。このイメージで振ることがヘッドスピードを上げるコツなんだよ。

――どうして片手で振る意識のほうがいいの?

池田 まずバックスウィングを右手で上げると、切り返しから右手に力が入っちゃって良くないんだよ。でもインパクトは砂の抵抗があるから両手でしっかり打つ必要がある。そして打って手を止めたときに左手の力を抜いてあげれば右手だけでヘッドを持ち上げるように振れるってわけ。これでヘッドが走って、球は上がるしスピンも効いてくれるはずだよ。

バックスウィングは左手で上げて、インパクトは両手、フォローは右手で振る

コックwをを入れようとすると右手を使ってしまうため、コックは入れずにしっかりと体を回す
ボール手前の砂にヘッドを落として砂ごと飛ばす。その抵抗に負けないようにしっかり振る必要がある
インパクトからフォローを左手で振ってしまうと、手が目標方向に出てヘッドは走らない

速く振っても飛ばない構えを作る

いちばん大切なのはフェースをしっかり開くこと。フェースが右を向くぶんスタンスはオープン。左足体重で重心は下げて構える。

右足体重で構えると、ヘッドが落ちる位置が手前になりすぎてしまうことが多い。体の左右への移動を使いすぎないためにも、左足体重で構えたほうがいい

40Y以上のバンカーはフォローで右手を返していく

ヘッドスピードを上げて高い球が打てるようになったら、あとはピンの根元に落とす距離感をどう作るかだ。

池田 10〜30Yまでは同じ打ち方でボールの位置とフェースの開き具合、あとは振り幅で調整できる。でも40Y以上はちょっと打ち方を変える必要があるんだよ。

――さらに特別な打ち方?

池田 30Yまでは手元を止めてヘッドを走らせていたけど、40Y以上は手を止めずに出していくから、普通の打ち方に近い。このとき、インパクトからフォローで右手を返すように振っていくと、ロフトが立って当たるから球が前に飛ぶんだよ。フィニッシュは腰の高さで手とクラブを止める感じで、このとき右腕がしっかり伸びていると、強い球が打てるよ。手打ちにならないように左腰をしっかりと回しながら打つことも大切だね。

【40Y以上飛ばしたいとき1】
フォローで右腕をしっかり伸ばす
30Yまでは、フィニッシュで手元が体の近くの低い位置で止まってクラブだけが立つ形になるが、40Y以上のときは、体の正面で右腕をしっかり伸ばしてフィニッシュ。

【40Y以上飛ばしたとき2】
右手を返すようにしてロフトを立てていく
インパクトからフォローで右手を返すように振っていくこと。右手で球を包み込むようなイメージで振ればロフトが立って球が前に飛んでくれる。

【40Y以上飛ばしたいとき3】
手は止めずに振り抜いていく
30Yまでは手元を止めてヘッドを走らせるが、40Y以上飛ばすときは手は止めずに目標方向に出していく。ヘッドだけではなくクラブと手を一緒に振るイメージだ。

50Y、30Y、10Yのお手本スウィング

<50Y>大きなトップから小さく振り抜く

ボール位置は真ん中でフェースは少しだけ開く。バックスウィングは大きく上げて、そこから腰の高さのフィニッシュまで強く振り抜く。腰の高さまで止めることで強い球になる。

<30Y>基本の打ち方で振り幅を大きく

ボールは真ん中から1個分くらい左に置いてフェースはやや開いておく。少しコンパクトなトップから、インパクトは手を止めてヘッドを走らせる打ち方。

<10Y>あらかじめ「飛ばない構え」を作っておく

ボールは左かかと内側にセットして、フェース面が真上を向くくらい開いて構える。バックスウィングは肩まで上げて、インパクトでは手元にブレーキをかけてしっかり止める。

最後に! “職人”勇太のこだわりウェッジを拝見

実はSWだけシャフトを少し硬くしているという池田。

「ヘッドは少しグースネックが好きだけど、あとはシンプルな形状。シャフトはほかのアイアンよりも少し硬くしている。そのほうが手とヘッドが繋がって球を操作しやすいからね」

月刊ゴルフダイジェスト2020年10月号より