PGAツアーで主流の「先回りスウィング」とは?＜後編＞“左体重”のトップから“左つま先”方向に踏み込もう!

週刊ゴルフダイジェスト

2025.10.26

KEYWORD スウィング作り吉田直樹練習法西山星空

現在PGAツアーで主流となっているスウィングの動きを、プロコーチの吉田直樹氏は「先回りスウィング」と名付けた。後編では、先回りスウィングをマスターするために意識すべきポイントや練習法を教えてもらった。

PHOTO／Hiroyuki Tanaka、Yoshihiro Iwamoto　THANKS／三甲GCジャパンコース

**吉田直樹**　よしだ・なおき。1978年生まれ。兵庫県出身。幼少期をアメリカで過ごし、有名コーチの指導を受けた経験を持つ。谷原秀人、小祝さくら、イ・ボミ、片山晋呉、上井邦浩などを教えてきた。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」主宰
**西山星空**　にしやま・ひかり。2005年生まれ。香川県出身。レギュラーツアーで活躍している西山大広の妹。プロテスト合格を目指して、日々、練習に励んでいる

>>前編はこちら

PGAツアーで主流の「先回りスウィング」とは?＜前編＞マキロイもシャウフェレも“先回り”で飛ばしていた
プロコーチの吉田直樹氏によると、現在PGAツアーで主流となっているスウィングにはある共通点があるという。吉田コーチはその動きを「先回りスウィング」と呼ぶが、いったいどんなスウィングなのか?　どんなメリットがあるのか?　詳しく話を聞いてみた。 PHOTO／Hiroyuki Tanaka、Yoshihiro Iwamoto　THANKS／三甲GCジャパンコース吉田直樹　よしだ・……

トップは左足体重でOK

GD　先回りスウィングはボールに当たりやすいというメリットはわかりましたが、体を先回りさせてインパクトするには、どうすればいいんでしょうか?

吉田　まず最初に大切なことは、やや左足体重のトップを作ることです。

GD　右に乗らないってことですか?

吉田　乗りません。いまのPGAツアーの主流は、むしろ逆の左ウェイトです。そのため、右腰を左後ろ方向に回しながら、テークバックしていきます。

GD　右腰を左後ろに回していく……。

吉田　そうです。右のお尻のポケットを左後ろに引っ張り上げていく感覚が近いと思います。

GD　右腰の回転が始動のスイッチなんですね。

吉田　そんなイメージです。右腰が左後ろ方向に回転すると、自然に左足体重のトップになるんですが、先回りスウィングでは、この左足体重が重要なんです。

Drill 1
右のお尻のポケットを引っ張ってもらう

「右のお尻のポケットを左後ろ方向に引っ張ってもらってテークバックします。体験してわかったんですが、右腰を回しながら左足に乗っていく感覚ですね」（西山）

Drill 2
お尻のポケットを自分で引っ張る

右のお尻のポケットを自分で引っ張って、バックスウィングで腰を回転させていく方向と下半身の動かし方を確認する

Drill 3
パーフェクトターンプラスで体の右の“スキ間”を確認

オリジナル練習器具「パーフェクトターンプラス」を右足で踏んで、体と器具の“スキ間”が広がるように、右腰の回転でバックスウィングする。素振りから始めて、慣れてきたらボールを打つ

LPスイング
パーフェクトターンプラス　

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切り返しは
左つま先側に踏み込む

吉田　左足に乗ったトップができたら、次は切り返しです。

GD　切り返しでは、左足を踏み込むんですよね?

吉田　そうです。ここで大切なのが、踏み込む方向です。左のかかと方向ではなく、左のつま先方向に踏み込みます。

GD　それは、なぜ?

吉田　左かかと方向に踏み込むと、体を回転させる力が大きくなって、右肩が前に出やすくなります。そうなると、手がアウトサイドから下りてきてしまうんです。

GD　なるほど。左つま先を踏めば、手がインから下りてきやすくなるんですね。

吉田　その通りです。トップで左に乗って、さらに、切り返しで左つま先を強く踏み込むことによって、体を左に先回りさせることができます。

GD　どんな練習をすればいいでしょうか?

吉田　重要なのは、左足の重心位置です。アドレスでかかと、トップでつま先に乗って、切り返しで左つま先を踏み込んで、インパクトからフィニッシュにかけて、かかと重心になるのが正解です。この動きを意識しながら、練習するといいですね。