【教えて! なっち先生】Vol.29 大型ヘッドと相性がいい“シャット&ストロング”
大谷奈千代のイラストレッスン
現代の大型ヘッドドライバーにマッチしているのは、フェースローテーションを抑えた飛ばし方。そのコツをゴルフイラストレッスンでお馴染みのプロゴルファー・大谷奈千代に、イラストを交えて詳しく解説してもらおう!

>>前回のお話はこちら
- 左へ曲がるドローやフックが持ち球のゴルファーが、左サイドのバンカーやOBを怖がって右に打ち出そうとすると「さらなるミスの原因になります」と言うのは、プロゴルファー・大谷奈千代。イラストを交えて詳しく解説してもらおう! >>前回のお話はこちら Lesson 28左へのミスに悩む人は「左わき」を見直そう ……
Lesson 29
大型ヘッドと相性がいい
シャット&ストロング
ゴルフ歴の長い方は経験があるかと思いますが、パーシモンのように小型ヘッドを使用していた時代は、フェースローテーションを積極的に使うことでボールを遠くに飛ばしていました。
しかし、いまの時代に合ったスウィングはフェースをシャット(閉じる)に使っていくことが主流です。その理由は、近年の大型化したヘッドにあります。パーシモンヘッド(およそ200cc)と比較してみると、近代の大型ヘッドは(およそ460cc)と2倍以上の大きさがあります。
ヘッドが大きくなると、重心距離が長くなるため、慣性モーメントが大きくなります。上手く使うことができれば飛ぶ可能性がアップしますが、一度フェースが開くと戻りにくいという性質を持っています。
こういった理由で、大型ヘッドを取り扱う際には、フェースローテーションを抑えたシャットフェースのスウィングのほうが再現性、安定性が高いと言えるのです。ヘッドが大きなドライバーで、ボールを右に打ち出してしまうゴルファーやもっと飛距離が欲しい方は、シャットフェースのスウィングがオススメです!

ローテーションを抑えるポイントは
シャット&ストロング
フェースをシャットに使い、フェースローテーションを抑えたトップを作るために重要なのが、左手首を手のひら側に折る掌屈の動きです。とはいっても、掌屈のポジションに収まるには、肩関節や手首の柔軟性が必要です。体の硬い方が無理をしてしまうと、ケガにつながる可能性があります。
スウィング中におけるフェースローテーションはグリップの握り方も影響しますから、今回は左手のグリップに注目して解説していきましょう。
まずグリップにはウィーク、スクエア、ストロングの3つの握り方があります。イラスト2のように、左手の親指が指1本ぶん右に向くだけで、骨格に対するフェースの向きが決定し、動作に違いが起こります。

ウィークグリップではフェースローテーションが大きくなり、ストロンググリップではフェースローテーションが抑えられます。スクエアグリップはその間です。
肩関節や手首の硬い方でも、ストロンググリップで握り、トップで左腕と左手の甲が一直線になると、フェースを閉じて使うことができます。また、その手首の角度を保ったままスウィングすれば、掌屈と同じ効果を得ることができます。

シャットフェースのメリットは、ハンドファーストインパクトを迎えられることです。クラブロフトが立った状態でインパクトすることができれば、ボール初速が上がり、飛距離アップのチャンスになりますよ!
フェースをシャットに使い、ローテーションを抑えたスウィングを試したい方は、少しずつストロンググリップに調整しながら、ご自身に合った握り方を探してみましょう! ぜひ参考にしてください。

大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号より


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