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【南出仁寛の千日回峰行】Vol.5 前傾キープのカギは“みぞおちから曲げる”こと

シニア入りを機にツアープロ転身を目指す南出仁寛プロの修行の旅。前回、「GEARS」による計測で、切り返し直後の「Xファクター」の数値が小さいことが判明した南出。数値増大のカギは上体を「起こさない」ことだというが……。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/KEN HORIO GOLF ACADEMY

ゴルフ修行僧/南出仁寛

みなみで・きみひろ。78年生まれ、大阪府出身。06年にプロ転向。ドラコン日本タイトル15冠。世界大会は11度出場し、最高成績は10位(日本人最上位)。シニアツアー出場資格年齢まであと4年

今月の「師僧」/勝又優美

かつまた・ゆみ。一般企業就職後にゴルフの魅力に取りつかれ、ティーチングプロを目指す。2010年、JLPGAティーチングプロ、13年、同A級を取得。最新機器を駆使し、きめ細やかなレッスンに定評がある

>>前回のお話はこちら

切り返し後に
前傾を深くするには?

南出 胸の面を残して下半身だけ切り返すには、「みぞおちから曲げる」のがコツなんですよね?

勝又 「ギアーズ」だと、上体の傾きを上下に分割して計測するんですね。で、PGAツアーの平均を見てみると、みぞおちから上の傾きがトップで30度くらいなのに、切り返し直後は33度くらいになるんです。

南出 つまり、切り返し後に前傾が深くなってるということやね。

勝又 そうなんです。じゃあ南出さんはどうかというと、トップで約28度なのが、切り返し直後に約20度になっていて、逆に起き上がっているのがわかります。

南出 昔から自覚はあるんですけど、直すとなるとこれがなかなか頑固で……。


勝又 前傾角のキープというと、絶対「股関節から」と思うじゃないですか。そこがやっぱり一種のメンタルブロックで、「みぞおちから曲げる」と思考変換すると、意外とできたりするんです。たとえば……(急にみぞおちにパンチをするフリをして)こんな感じで。

南出 ちょっと、何するんですか。って、ああなるほど。みぞおちにパンチもらったときに、腹筋を縮めて上体をかがめる動きと同じってことですね。

勝又 さすが、勘がいいですね。そうやってまず、みぞおちから曲げる。次はそのまま水平に回転。そうすると胸を下に向けてインパクトできるんです。

南出 今までの感覚とはかなり違うので、難しいですね。

勝又 切り返しで私がみぞおちと背中を押して、体を曲げるアシストをしますので、それで感覚をつかんでください。一度、感覚がつかめると自分でできると思います。

南出「前傾って切り返し後にむしろ深くせんとあかんの!?」
勝又「しかも“みぞおちから上”を曲げないとダメなんです」

切り返しにおける上半身は、横方向に回転を始める前にまず、みぞおち付近を中心として上の部分だけを前に倒す。腹部にパンチを受け、腹筋を縮めて身をかがめるのと同じ動き

PGAツアーの選手は上体の上半分だけを曲げて切り返している

「ギアーズ」によるPGAツアー選手の計測データによると、トップから切り返し直後の間に、みぞおちから上の部分の前傾が、平均で約3度深くなることがわかっている

南出は切り返しで上体の上部が起き上がっている

PGAツアー平均は前傾が「深く」なるのに対して、南出プロの場合は、逆に約8度「浅く」なっている

Point
切り返しから「みぞおち」を曲げる

Drill
切り返しで背中上部とみぞおち下を押す

みぞおちから曲げる動作は、普段あまり行わないため脳の命令が通りづらい。誰かにアシストしてもらう形で、一度曲げ方を覚えると、自分でもできるようになる

月刊ゴルフダイジェスト2025年5月号より