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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.204「ドラコンプロに学ぶトップの“間”」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Amsaaki Nishimoto

前回のお話はこちら

昨年の78㎏級ドラコンプロチャンピオンの松本一誠くんのことは、ヨコシン(横田真一プロ)のYouTubeに出ているのを見て知ったんです。171センチで76キロと小柄で、それで429ヤード飛ばしてドラコンチャンピオンを取ったということがまず驚きですし、筋力で飛ばすんじゃなく、柔らかいレディス用のシャフトを使い、そのしなりとタイミングで飛ばしていると言うんです。

打ち方を見たら、バックスウィングでグーッと来て、バチーンといくんですけど、トップで“間”があるんですよ。こんな打ち方あんねんなあ思ってね。いわゆる普通の打ち方でも20%の力で僕と飛距離が同じくらいです。40%で300ヤードを越えてます。70%で340ヤード。80%で360ヤードです。


動画で飛ばしの秘訣をレッスンするんを見てたら、振り子運動が基本で、加速は振り子の頂点(トップ)でピュッとしたら勝手にクラブが走るいう理屈のようです。要するにブラーンと上げてトップでどれくらい間があるかいうことです。

飛ばしのコツは、クラブがトップに向かって行っている間に下半身を切り返せいうんが一般論としてあるやないですか。でもそれはフィジカルが強い人やないとできない。普通の人の場合は、トップで力をちゃんと受け止めてから加速に入ったほうが方向性もよくスピードも上がるというんが彼の教えです。

これを聞いて、僕もどちらかいうと、トップで待つ打ち方やから、同じやなと思ってね。それで興味を持ったんで、先日会って練習場でレッスンしてもろうたんです。そしたら、ヘッドスピードが43m/sから始まって、20球くらいやったら、49m/sまで上がりました。距離も15~20ヤード伸びた感じです。これはプロゴルファーだからやなくて、誰でも上げられるいうことで、35歳の女の人が5球で40m/sまで行ったと言うてました。

鍛えて腹筋の捻りで飛ばすとかやったら無理やと思うけど、振り子の振り幅の“間”のタイミングだけ合わせたらいいんならできるやないですか。そして、ドラコンの300ヤード超えるスウィングも、僕なんかがやるサンドウェッジでポンとやるのも、タイミングがまったく同じいうことがね、ずっとやってきたことに確信を得た感じがして嬉しかったですね。

「振り子の“間”のタイミングを合わせるんがやっぱり大事なんですわ」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2024年12月3日号より