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ツアー屈指のアイアン名手に聞く「距離の打ち分け」私はこうやってます!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroyuki Okazawa
THANKS/宮崎レイクサイドCC

7番アイアンだと大きいけど、8番アイアンだと短い。こんな場面でプロはどのように対応しているのか。ツアー屈指のアイアン名手、小田孔明と秋吉翔太にコントロールショットの極意を聞いた

小田孔明(右)
2014年賞金王、通算8勝。色々な球筋を操る熟練の技の持ち主。面倒見と人柄の良さで後輩プロたちが約20人集い“チーム孔明”として合宿している。42歳。プレナス所属
秋吉翔太(左)
ツアー2勝。プロ入り後数年間はAbemaTVツアーで戦い、17年にレギュラーのシード権獲得。18年は2勝を挙げてツアーの中心選手になった。30歳。ホームテック所属

小田孔明の場合
「±10Yは球筋で打ち分ける」

番手間の距離が残った場合、下の番手で飛ばすか、上の番手で距離を落とすかのどちらかを選択することになるが、大きめに打ったり距離を落としたりする際、小田プロはどのように打っているのか。

「僕の場合は飛ばしたいときは高いドローを打って、飛ばしたくないときは低いフェードにしてます。こういうとアマチュアの方は難しいと思うかもしれないけど、振り幅を調整して距離を落とそうとすると緩みに繋がるんですよ。球筋を変えるほうが、緩んだり力んだりすることがないから、意外とミスが少ないんです」

でも球筋を変えるのはやっぱり難易度が高い気が……。

「大事なのは構え方で、そこがちゃんとできれば思ってるよりも簡単です。それに球を左右に曲げることを覚えておけば林からの脱出とかでも役に立つし、ゴルフのレベルアップになるからぜひ練習してみてください」

孔明流・高いドローで+10Y

フェースは目標に向け
アウトに振り抜く

持ち球がフェードで、もともとオープンスタンスなので、ドローのときもクローズにはならないが、通常時よりはスタンスはクローズになる。腰と肩を右に向け、フェースは目標に向けて構える

フォローで左親指を立てる

体が止まるとフェースが早く返り、引っかけが出やすい。体はしっかりと回しながら、フォローで左親指が上を向くようにする

小田孔明の+10Yスウィング

腰と肩をクローズに構え、インサイドアウトに振り抜いていく。トップの位置は変わらないが、フィニッシュは少し大きくなる

孔明流・低いフェードで-10Y

フェースは目標に向け
オープンに構える

もともとがオープンなので、距離を落とすときはさらにオープンに構える。フェースはドロー同様目標を向け、ロフトを少し立てる

フォローで左手甲を上に向ける

体が早く開きすぎるとクラブが振り遅れて右へのミスが出やすい。クラブを体の正面にキープし、フォローで左手甲が上を向くようにする

小田孔明の-10Yスウィング

オープンに構えたら、スタンスなりにインに振り抜いていく。フィニッシュは低く抑え、クラブが体の正面にある状態をキープ

秋吉翔太の場合
「±5Yは右手の向きで打ち分ける」

小田プロは球筋を変えて距離を調整していたが、秋吉プロは球筋を変えることまではしないという。

「孔明さんは1つの番手で±10Yを打ち分けますが、僕は+10Yなら上の番手を持つので、コントロールするのは±5Y程度。5Yなら、スウィングや球筋を大きく変えなくても打ち分けられます」

具体的にはどうやって?

「+5Yはインパクトからロフトを立てながら真っすぐ長く押していく感じです。-5Yはインパクトから左に抜いていきながら、右手のひらを少し上に向けていくイメージ。球筋を変えるというよりは、球を“つかまえる”打ち方と、球を“逃がす”打ち方という感じです」

+5Yはスクェアのまま押し込み
-5Yは右手を上に向ける

+5Yは体の正面で打ち
-5Yは腰を回す

<どちらも共通>入射角はゆるやかに

+5Yでも-5Yでも球をコントロールするときはクラブヘッドをなるべく緩やかに入れたほうがいい。横から入れてフェースにボールを乗せるイメージで打つことが大切

月刊ゴルフダイジェスト2021年5月号より