【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.117 スウィングを“巻き戻す”と、曲がる原因が見えてくる
家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!
ILLUST/Masaaki Takauji
みなさんは練習をするとき、スウィングのどこを一番気にしますか?
うちの練習場でいろんな人を見ているけど、圧倒的にインパクト前を気にしている人が多い。
テークバックの仕方、トップのポジション、トップからの切り返しのタイミング、インパクトの形などなど。気になっている箇所を何度も行ったり来たりしながら理想の形を体に覚え込ませている。
ボクは前にも言ったけどスウィングフォームは一切気にしないタイプだ。当然のことながら、スウィングで一番重要なのはインパクトなので、トップがクロスだろうが、レイドオフだろうが構わないと思っている。
だからボクが練習中、何かをチェックするとしたらインパクト後だ。といってもフォローでのクラブの出方やフィニッシュの形ではない。振り切りをよくするために「フォローで打つ」という教えがあるが……そういう漠然としたものでもない。
では、何をチェックしているのかというと、インパクトの直後である。
ちょっと気になることがあると、ボクはときどき“逆再生スウィング”をする。ビデオに撮ったスウィングを巻き戻すように、フォロー→インパクト→ダウン→トップへと、逆から動かすのだ。そのとき、もっとも注目しているのがインパクト直後か~ら~のインパクト。そのときのヘッドを見ると、どんな状態でインパクトしているかがよくわかる。フェースがかぶっているのか、開いているのか、先っちょに当たっているのか、あるいはヒールに当たっているのか……。その結果を踏まえたうえで、スウィングのどこを修正するか考察する。
とくに効果的なのがパター。パターは当たりどころが少々先っちょでも、フェースが真っすぐなら、真っすぐ出る。でも、フェースが右や左を向いていたら、どんなに真ん中に当たっても、絶対に真っすぐは出ないので、インパクトでのフェースアングルがとにかく大事なのである。真っすぐ引いて、真っすぐ打っているはずなのに、なぜか思ったところに打てない、という人は一度試してみるといいよ。
人生では、結果よりもプロセスが重要、なんてこともあるけど、ゴルフスウィングにおいては、プロセスよりも結果が重要である。ちゃんとセオリーどおりのプロセスをたどったのに、結果がイマイチでしたー、では進歩がない。ミスを繰り返さないためには、ちゃんと結果を検証し、改善すべきプロセスは改善する。それが練習だと思う。
ちょっと大袈裟かな。まぁ、とにかく理想の形ありきのインパクトではなく、理想のインパクトのための形という考え方もある。それには、インパクト前よりもインパクト直後に注目してみよう、という話である。
梅雨でラウンドが減っている今こそ、練習しどき。その際、“逆再生スウィング”をちょっと試してみて。結果、何かしら新しい発見があれば、幸いでございます。
全員がチャンピオン! 二宮家
週刊ゴルフダイジェスト2019年7月23日号より