Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【青木瀬令奈の“2打目力”】#1「セカンドは超真剣に70点を狙う」青木流マネジメント術

【青木瀬令奈の“2打目力”】#1「セカンドは超真剣に70点を狙う」青木流マネジメント術

「曲がらないドライバー」や「ショートゲームの上手さ」がクローズアップされる青木瀬令奈だが、彼女の本当の凄さは「2打目」にある。アベレージゴルファーのスコアアップにも必ず役に立つ、青木の2打目に対する考え方や技術について掘り下げていこう。

TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Takanori Miki THANKS/かねひで喜瀬カントリークラブ

青木瀬令奈 あおき・せれな。1993年生まれ、群馬県出身。シード選手の中で最も飛ばない選手にもかかわらず、昨年シーズン2勝を挙げ、メルセデスランキング12位とキャリアハイの成績を残した。今年は「メジャー優勝」を目標に掲げ、さらなる高みを目指している

2打目は1打目よりも
真剣に考える必要がある

2打目はすべてのショットの中で最も考えることが多いと断言する青木。“超真剣”に考えている理由は実に単純、『スコアに直結するショット』だから。

「2打目の精度が上がれば大ミスがなくなり、大叩きすることもありません。ティーアップの位置を選べて、かつ平らな場所から打てるティーショットと比べて、2打目はライが選べないし、平らでもない。さらに風や打ち上げ、打ち下ろしなどもある。ティーショットよりももっと小さな的に打っていかなければならないことを考えると、ピンまでの距離だけを目安に打って成功するショットではないんです。2打目以外は、だいたいみんな同じところにいて、同伴者が見ていますよね。だから集中していると思うんですが、2打目は結構“放置プレー”になることが多い。適当になる理由のひとつだと思います」

いい意味での適当さは気持ちをリラックスさせる効果はあるが、何も考えずに適当に打つととんでもない大ミスを引き起こす。その危険性を最も秘めているのが2打目。丁寧に、かつ真剣に自分が打ちたいショットを明確にすることが重要

「70点」を“真剣に”狙う

どのショットよりも2打目を超真剣に打っている青木が、その2打目で大切にしていることは“覚悟”だと言う。一般的には気合いだとか気持ち的な要素に聞こえがちだが、青木の言う覚悟とは『万全の準備をしっかり行う』ことにある。

「ティーショットがある程度成功すると、多くの方が単純にピンを狙おうとします。要は100点を狙いにいくわけですが、私の場合は70点を真剣に狙いにいきます。なぜかというと、それほど2打目には難しさが潜んでいると考えているからです。ゴルフはミスをするスポーツで、2打目はそれが顕著に表れるので、自分のミスの傾向などを考慮した、リスクマネジメントが大切になるんです。“ナイスミス”をどれだけ打てるかが重要になってくるんです」

もちろん、リスクマネジメントにはある程度の経験値は必要。だが、ミスの傾向を記憶しておくだけでも、2打目の精度を上げるための糸口になる。

各クラブのキャリーの距離を把握することは絶対条件。打つべき距離を正確にジャッジしたら、ライや風などを考慮してクラブを選択。しっかり準備を整えることが2打目で最も大切なこと

準備1
番手ごとのキャリーを把握

ピンまで150ヤードで、手前のバンカーを越えるのに140ヤードキャリーが必要な時に、キャリーが135だったら、そもそもマネジメントは成立しない。自分の飛距離は必ずキャリーで把握しておくこと

準備2
ライに対して出やすいミスを知っておく

例えば、つま先上がりは一般的には引っかけやすいが青木の場合は右に出やすい。人によってミスの傾向は異なるので、ライによる自分のミスの傾向を把握して、そのうえでクラブ選択を行う

準備3
自分のミスの傾向を知っておく

コース上では、景色によるプレッシャーやスコアに対する期待等で、普段通りのスウィングがしづらくなる。体が動かなくなったときにどんなミスが出やすいか、など、自分の出やすいミスの傾向を把握しておくことも大事

>>セカンドショットの精度を高める方法は?

月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より