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つま先は開いていい! 58歳でHS50m/sを目指すシニアプロ・崎山武志の気づきを大公開

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/栃木ヶ丘GC

58歳になった今もシニアツアーの第一線で活躍する崎山武志プロ。しかし2020年に突如として飛距離が落ちてしまったという。そこで飛距離を取り戻すため、スウィングをイチから見直すことに。試行錯誤のなか、崎山プロが気づいたという飛距離アップの極意とは?

解説/崎山武志
1962年生まれ。愛媛県出身。レギュラー時代は未勝利だったがシニア入りしてから頭角を現し、15年は4勝、16年は2勝を挙げて賞金王争いを演じた。アビバホールディングス所属

左つま先が目標を向くほど
腰を速く回すようにした

昨年、飛距離が落ちてしまったそうですが、どれくらい落ちたんですか?

「キャリー260Yで越えるバンカーが越えなくなってしまったし、以前は10Yくらいの差だった後輩プロに30Yくらい置いていかれちゃったから、20Yくらい落ちたと思います」

それは体力の衰えが一番の原因?

「違うと思うんです。昨年はちょっと球が曲がるようになって成績が出なくて、球が曲がるのが怖いから振れなくなっていたんだと思います。実際に一緒に回ったプロに、振れてないと指摘されてヘッドスピードを測ってみたら、2~3m/s落てました。だからいまはヘッドスピード50m/sを目指していろいろと研究してるんです」

年齢を重ねると、ヘッドスピードを上げるのは難しそうですが……。

「若い頃と同じスウィングをしていたら不可能だと思うけど、いまの自分のなかで最大限に速く振れるスウィングというのを探していて、実際に少しずつ振れるようになっていますよ」

どこを変えたんですか?

「いちばん大きく変えたのが下半身の使い方です。以前は左足で左の壁を作って振っていたけど、左足のつま先を開いてかかとの上で回るようにしています」

<気づき1>左の壁なんて作らなくていい

以前はフォローでも左足のつま先を開かずに、左の壁を作っていたが、いまは壁を作らずに左つま先を開くようにした。左つま先を開くことで、最後まで体をしっかり回し切れるように

気づき2>ヒールアップでトップを大きく

体が硬くなると深いトップが取りづらくなるが、バックスウィングで左足をヒールアップすることで、クラブをしっかりと上げられるようになった

崎山プロのドライバースウィング

スウィング中は頭の位置をキープ

「飛ばしたいからといって、トップを大きくしようとすると、上体が伸び上がることがあるんですよね。そうすると、ダウンで上体で当てにいってボールに近づくから、インパクトが詰まってしまうんです。これも速く振れない原因のひとつです」

トップで上体が起きないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

「構えたときのボールと頭の距離を保って振ることが大事です。さっき言ったようにインパクトで頭が近づくとフトコロが狭くなるので振りにくくなるし、反対にインパクトで伸び上がって頭が遠くなってもまともに当たりません。頭はスウィング中ずっと前後にも左右にも動かさないで、固定しておくこと。そうすればフトコロのスペースができて、すごく振り抜きが良くなりますよ」

頭とボールの距離を保って腰を回す

空手の突きのイメージで体を使う

上体が突っ込まなければ
スムーズに振り抜ける

頑張っているのに飛ばない
そんなときは「上体の力み」を疑おう

飛距離アップの研究を始めて、痛感したことがあるという崎山プロ。

「僕らプロでも、もっと飛ばしたいと思うほど上体に力が入るんですよね。そうすると上体で当てにいってしまって肩がかぶるから、左へのミスが出るんです」

上体の力みをなくすには?

「グリップはソフトに持って、あとは切り返しで腕とクラブの存在を忘れることです」

それはどういう意味?

「クラブをトップの位置に置いてくるようなイメージです。ボールからいちばん遠いヘッドは、最後に下りて来ないといけないんですよ。こうすれば自然にタメができて遠心力で飛ばせるようになります」

腕とクラブをトップの位置に置いてくる

切り返しで腕やクラブが先に下りてくると、クラブが外から下りてきて引っかけのミスが出やすくなる。腕とクラブをトップの位置に置きざりにして、いちばん最後に下りてくるイメージで振ると、タメができてヘッドが走る

ダウンスウィングは左サイドリードで、さらに下から順番に回していくことがヘッドスピードアップの秘訣だ

力みを取るには柔らかいモノ・軽いモノを振る

<ドリル1>タオル素振り

<ドリル2>シャフト素振り