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【令和式アプローチ】#1 「キュキュッと止める」はもう古い!? 今どきアプローチは横からサラッ

プロのアプローチといえば、低く出してキュキュッと止めるイメージが強かった。でも最近のプロは、シンプルにさらっと打ち、ロフト通りに球を上げている。なぜスピンをかけるような打ち方をしなくなったのか、どんなメリットがあるのか。最先端のアプローチを徹底研究!

TEXT/Daise Sugawara PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara THANKS/ハイランドセンター

解説/内藤雄士

ツアープロを指導する傍ら、日大ゴルフ部のコーチも務める。最新理論や、若手ゴルファーの技術にも詳しい

●CONTENTS●
1. いまどきアプローチは横からサラッ
2. 真っすぐ立ってその場でクルッ
3. 距離感を出すには「右手素振り」

必要なスピンを得るのに
特殊な打ち方は要らない

グリーン上でキュキュッと止まるアプローチはカッコいいが、今のPGAツアーには、以前のように強くスピンをかけていくプレーヤーはいない。

「一番大きいのは、弾道計測器の進歩でアプローチスピンの秘密が明らかになったこと」と言うのは、最新のゴルフ理論に詳しい内藤雄士プロ。

「『トラックマン』が、クラブを地面と平行に動かして当てるほうが、バックスピンが多くなるというデータを発表したんですが、これはかなり衝撃的でした。つまり、オープンに立って、フェースを開いて上からドンッ、なんてやる必要がないということ。イン‐イン軌道で横からサラッと、ボールだけを拾うのが合理的だということです」(内藤)

手で投げるときのように、ロフト通りに上げて自然に転がすほうが合理的だし、再現性が高い。だから現代は、アプローチもスクエアスタンス、インサイドインのシャロースウィングが主流

昔は低く出てスピンで止まる球を打っていた

かつては、オープンスタンスでカット軌道、強いダウンブローというのが主流だった。低く出てキュッと止まるアプローチは確かにカッコよかった

現代は、ボールの真下に最下点を設定して、真横からボールだけを拾い、ロフト通りに球を上げていく打ち方が主流

横からサラッが主流になった理由

ギアの変化

クラブの「溝規制」が、2010年からプロに適用され、昔ほどスピンがかけられなくなったことで、打ち方も変わってきた。グースネックからストレートネックへ変化したこと、バウンスのバリエーションが増えたことも影響している

弾道計測器の普及

以前は「上から打つほどスピンがかかる」と思われていたが、計測器の普及により、スピン量アップにはインパクト時のロフトがもっとも重要であることがわかっている

PGAツアーの芝質

PGAツアーで使われるコースの芝は、洋芝(茎が細くボールが沈みやすい)やバミューダ(根が強く抵抗が大きい)など、「上からドンッ」とは相性が悪い。インサイドインで真横からボールを拾う打ち方が主流に

>>具体的な打ち方のポイントを解説!

月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より