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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.87 パターの握りは「ゆるゆる」よりも「ガチガチ」が吉

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

パターのグリップはしっかり握るとボールが転がりにくくなる。かといって、ユルユルに握るとフェース面が動きやすくなって方向性が悪くなる。一番いいのは、フェース面が動かない程度にゆるく握ること。なーんて言われても、つねにちょうどよく握れたら苦労しないわ。

だからボクは120%の力で握っている。その強さたるや、おそらくみなさんの想像を超えていると思う。どのくらいかというと、グリップがつぶれるくらい。10球練習したら手がつりそうになるくらい。そして、両手を離すと、手が真っ白になるくらい。つまり、血流が止まるほどガチガチに握っているのだ。強弱は人によって感じ方が違うものだが、ボクが言う120%の力は、誰がどうみても極強である。

パッティングは繊細なタッチが必要だから、軽く握るという意見もわかる。でも、それだと、素人は確実に当たり負けしてしまう。ボクも以前、パターが下手で悩んでいた時期があった。そのときは今のようにガチガチに握っておらず、方向性に難があった。原因追及のために動画を撮ってみたんだ。最初は正面から全身を撮ったんだけど、ストロークは決して悪くない。それならばと、フェースの動きに焦点を当てて撮ってみたんだ。そしたら、発見! スロー再生したらインパクトの瞬間、フェースがめっちゃ開いていたのだ。多少ヒール寄りに当たってはいたが、予想以上。かんぺき、当たり負けしている証拠だ。

それでわかった。軽く握っていいのは、かんぺきに芯に当てられる人限定なのだと。自分はそこまでの自信がない。だったら、当たり負けしないように全力で握るしかないと。そしたら、急にパットが入るようになった。ボールは芯でとらえるに越したことはないけど、多少トウ寄りやヒール寄りでも、フェースが閉じたり、開いたりしなければ、案外真っすぐ転がるのだ。

もうひとつガチガチに握るメリットは、体幹で上げやすくなること。お手元にパターがあったら、極端にユルユルに握るのと、ガチガチに握るのと交互に打ち比べてみて。ガチガチグリップのほうが断然、クラブと体の一体感があると思わない? それに比べて、ユルユルグリップは手先で上げてしまうので、どうしてもヘッドが遅れて動いてしまう。それがまたフェースが開く原因だったりもするのだ。

今は太いグリップが流行っているけど、あまり太いとガチガチに握りにくいので、ボク的には少し細めのグリップが好み。それを、小指から人差し指に向かって、絞るように握る。そうすると、腕が内旋し、より一層振り遅れが防げるはず。もし、10球打った後にグリップをほどいても手が白くならなかったら、まだまだだな(笑)。この際、力の出し惜しみは禁物。当たり負けを防ぎ、狙ったところに転がしたければ、本気の本気で握ってみよう!

ガチガチに握ると、芯を外しても当たり負けしない。フェースが開くことなく真っすぐ当てられるため、転がりが安定する。10球打って疲れるくらい強く握ってみよう


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年10月16日号より