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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.86 振ってるように見えなくても飛ぶ! “テロ~ン打ち”の極意とは?

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

周りからよく「軽く振っているのに飛びますね~」って言われる。「そうですかね、どうも~」なんて返すボク。本当は歯がかけるくらいマン振りしているのに……へへへ。

100%、いや120%の力で振っているのに、他人にはその半分にしか見えないらしい。まぁ、顔も目が細くて口角が上がっているから、余計脱力して振っているように見えるんだろうな。

アイツはいつもヘラヘラしてる、なんて言われることもあるけど、よしよし、それでいい。目指すのは、振っている感ゼロのスウィング。擬音で表すなら“テロ~ン”なので、皆さんのリアクションは、ボクからしたら望むところなのだ。

だってさ、「今日は暑くてしんどいから、軽くしか振れんわ~」と言って、人より飛んだほうがカッコええやん。ほらほら、見るからに頑張っているガリ勉よりも、なんかヘラヘラしてるんだけどテストで100点取っちゃう人のほうが憧れるでしょ。それと一緒。

では、“テロ~ン”に見えるコツは? というと、クラブと体を同調させること。これに尽きるかな。一般的なスウィングは、ダウンスウィングで体よりクラブヘッドが遅れてくる。いわゆるタメをつくり、それをインパクト直前で一気に開放するので、ヘッドがビュッと加速するから、振ってる感が出る。

対して、ボクのスウィングはタメをつくらず、体とクラブが一緒に動くので、ビュッと振っているように見えない。それが、テロ~ンと軽く振っているように見える理由だ。ただし、体を回転させるスピードはビュッと振っている人より速いので、ヘッドスピードも速い。テロ~ンと振っているように見えて飛距離が出るのは、そういう理由だ。

キレを感じるスウィングが好きなら別だけど、テロ~ンを目指すなら、ポイントは「体の正面でクラブを振ること」これに尽きる。

練習でたくさん球を打つと疲れちゃうよね。だからボクは20球、いやいや、へたすると10球ぐらいしか打たない。そんな球数じゃ、練習にならないと思うかもしれないけど、絶対に体の正面で打つ、というポイントさえ押さえれば、たった10球でも50球ぶんぐらいの価値はある。クラブは好きな番手で構わない。ちなみにボクはテキトーに引っこ抜いたクラブで打っている。6番アイアンでも、ドライバーでも、ウェッジでも体の正面で打つという基本は一緒だ。

テロ~ンといっても、全身の力を抜いているわけではない。体は速く回転しなければいけないので、フニャフニャしないよう体幹はしっかり意識する。だから、打てば普通に汗はかく。それでも腕を思い切り振ったり、足を踏み込んだりしないので必要以上にエネルギーを消費することはない。ラウンド後半になると体力が持たず、ヘロヘロになる人が多いけど、テロ~ンなら疲れないので、18ホール楽勝で完走なのだ。

無駄な力を使わない、テロ~ン打ち。ぜひやってみて。

体幹を使って、体の回転だけで打つと余計な力を使わずにスウィングできる。一見、振ってないように見えるが、体の回転スピードが速いため飛距離が出る


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年10月9日号より