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【イザワの法則】Vol.34 弾道計測器で見るべき数値は「クラブパス」! その真意とは?

練習場の打席に、弾道計測器が併設されていることが珍しくなくなってきているが、その計測器を使って「どの数字」を気にすればいいのか? 伊澤プロは、クラブ軌道(クラブパス)が重要というが、その理由とは?

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

前回のお話はこちら

「数字」だけよくても
スウィングバランスが悪ければ意味がない

最近は、弾道計測器が打席に付いている練習場も増えてきて、アマチュアでも「数字」で、自分のスウィングをチェックできるようになりました。たとえば、「インサイドからクラブを下ろしたい」と思っている人の場合、実際はどのくらいインサイドからクラブが入っているのか、あるいは自分の意思とは逆にアウトサイドから入っているのかといったことが一目瞭然。今まで、人に見てもらうか、自分の感覚に頼るしかなかった部分を、機械が教えてくれるわけですから、確かに便利ですし使い方によっては上達のスピードを劇的に早めてくれるかもしれません。

ただし、「数字だけ」を気にして練習するのはよくありません。「インサイドから振る」のが目標だとしても、まず気にするべきなのはスウィング全体のバランスや自然なクラブ軌道のほうで、それが整ったうえで、どうやったらもう少しインサイドからアタックできるかということを考えるのが、正しい順番です。数値上、インサイドから入っている状態にするために、たとえば、上体を不自然に右に傾けたり、無理やり右わきを締めて打ったりするのは、本末転倒ということです。

クラブ軌道(クラブパス)の数字でいうと、プロでもアマチュアでも、やはり「ゼロベース」(クラブパスの数値が「0度」近辺であること。ほぼ完全なストレート軌道)が基本になります。とくに、アイアンやユーティリティなど、地面から打って、なおかつ正確な飛距離が必要な番手に関しては、ゼロベースを理想として、2~3度くらい(イン‐アウト、アウト‐インとも)が許容範囲と考えるのがいいと思います。地面から打つので、インサイドから入れすぎるとダフりやすくなりますし、逆にアウトサイドから入れすぎるとスピンが増えて距離が合わなくなってしまうからです。


飛距離を取るか
方向安定性を取るかで
目指す数字も変わる

ドライバーに関しては、4~5度くらいインサイドから打つほうが、「ミート率」も上がる(ヘッドスピードに対してボール初速が高くなる)というデータもあるようです。その分、飛距離が伸びる可能性はありますが、強くイン‐アウトに打つということは、同時に曲がる危険性もはらんでいるということで、そうなると、プレーヤー自身がどちらを重視するかという問題になってきます。つまり、「当たったら300ヤード飛ぶけど、1ラウンドで2、3発OBが出る」というのを、よしとするかどうか。私は一発の飛距離より方向性のほうが大事ですので、ドライバーも「0度」を基準にしています。

もうひとつ、数字によって、自分が求めているスウィングが「できていない」ことがわかったとき、それをどう直すかという問題があります。数字は、自分の感覚と実際とのギャップを教えてくれますから、まずはその事実を冷静に受け止めることが大事です。それから、5割くらいにスピードを落として、目指すスウィングの軌道になるように、随時計測しながら繰り返しボールを打ってみてください。5割のスピードでできるようになったら、徐々に6割、7割とスピードを上げて、もし軌道が狂ってしまったら、また少しスピードを下げる、ということを繰り返します。それで、最終的に8~9割のスピードでも、狙った軌道で振れるようになれば、実際のラウンドでも同じように振れるはずです

「イメージ通りの球が打てても
それがピンにつくとは限らない。
理想を数字で求めすぎないこと」

数字を信頼しすぎるのもよくない

弾道計測器でデータがばらつく場合、打点のぶれによる影響がもっとも大きい。アマチュアはプロよりも打点分布の範囲が広いため、信頼できる計測データを得るには、かなりのサンプル数が必要。一方、プロの打点はほぼ一定なので計測誤差も少なくなる

伊澤利光

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2023年9月号より