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【ゴルフの急所】Vol.31 多少の「手打ち」は問題ない。でも“ある部分”だけは注意してください

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

「アマチュアもプロのように手先を使わない動きを目指すべきだ」という人と、「プロのようなスウィングはできないから多少手打ちでもいい」という人がいます。寺西プロは、どう思いますか?(中野優紀さん・50歳・HC20)


結論から言えば、アマチュアの方は多少手打ちでも構わない、とボクは考えています。

正直、練習量の少ないプレーヤーが、完全に手先を使わないスウィングを身につけるのは容易なことではありません。プロに比べて少し手が先に動いたり、手先を使う量が若干多かったりしても、それは仕方がないと思うのです。

ただ、切り返しからダウンスウィングにかけてのポジションだけは、なるべく手先を使ってほしくありません。


ここで使ってしまうと、スピードが落ちるだけでなく、クラブが外から下りて、球筋が不安定になってしまうからです。他のポジションでは少しくらい手を使っても構わないから、切り返しからダウンスウィングだけは下半身主導で動く。そういうスウィングを目指してほしいのです。

では、そのために何をすればいいのか?

まず、やってもらいたいのは、トップの姿勢から球を打つ練習です。使用クラブは8番前後。通常の構えからバックスウィングしたらトップのポジションで一度止まり、そこから左足を踏み込む動作をきっかけにダウンスウィングして球を打つのです。

これで球を打てるようになれば、手先の力ではなく、下半身から切り返す感覚が身につきます。ですから、まずはこれが自然にできるようになるまで練習してください。

次にダウンスウィングですが、ここで手先を使わないようにするには、右手でボールを投げるようにスウィングするのがポイントです。イメージは野球のアンダースロー。左足を踏み込んでから、右ひじが折れた状態で、腕が遅れて下りてくる。あの動きでスウィングするのです。

練習方法としては、写真のように右手にボールとティーを持って(親指、人さし指、中指でボールを持ち、人さし指と中指の間からティーの先が出るように持つ)スウィングしてみるとよいでしょう。

ダウンスウィングからインパクトにかけて、ティーの先が目標の反対方向を向いていれば、手先の動きを抑えられた証拠。逆に、ダウンスウィングの途中で、ティーの先が地面を指してしまったら、手先の力を使った証拠です。この練習で正しい感覚を感じ取ったら、それを実際のスウィングに落とし込んでください。

とにかく、大切なのは切り返しからダウンスウィングのポジションです。ここさえ手先の動きを抑え込むことができたら、あとは多少手を使ったとしても、十分にボールはコントロールできると思いますよ。

Point 1
左足を踏み込む動作をきっかけにダウンスウィング

使用クラブは8番前後。トップのポジションから、左足を踏み込む動作をきっかけにダウンスウィングして球を打つ。このとき、手先を使うと、クラブが外から下りて、球が左に打ち出されてしまう。下半身から動き出して、球が真っすぐ打ち出される動きを目指そう。

球が真っすぐ打ち出される動きを目指しましょう!

Point 2
ティーが目標と反対を向くように下ろす

ティーアップするときの要領で、右手にボールとティーを持ち、野球のアンダースローのイメージでスウィングする。インパクト直前まで、ティーが目標の反対方向を向いていたら、手先の動きを抑えられた証拠。ダウンスウィングでティーの先が地面を指したら、手を使った証拠だ。

「切り返しとダウンスウィングだけは手先を使ってほしくないですね」
「実は、プロだって、インパクト前後は手を振ってスウィングをしています。しかし、切り返しからダウンスウィングにかけて手先を使うプロはひとりもいません。ですから、他のポジションはともかく、切り返しとダウンスウィングだけは手先を使わない動きを目指してもらいたいと思うのです」(寺西)

月刊ゴルフダイジェスト2023年9月号より

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