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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.70 いちばん簡単なスピンアプローチ“ノーコック打ち”

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

フワッとあげて、ビタッと止まるアプローチに憧れている人は多いだろう。そのためには、手首のコックをいかしたキレのあるスウィングを目指したい。

でも理想と現実のギャップは激しい。見様見真似で挑戦しても、だるま落としのようにボテっと落ちて大幅ショート、あるいはカツッと当たって大オーバーなんて結末がほとんどだ。ガッカリするよね、本当に。もちろんチャレンジする気持ちは良いことだが、スコアを落としてしまっては元も子もない。

せっかくゴルフシーズンが到来したので、幸先よくスタートを切りたいものだ。

そこでボクがおすすめしたいのは、ノーコックでのアプローチだ。数多あるスピンのかけ方のなかで、一番習得しやすいのがコレ。なんたってノーコックで上げ、ノーコックで下ろせばいいだけだから。

まずフェースを開き、ハンドファースト気味に構える。そして、テークバックはちょっとアウト(止めるイメージがあれば、どう考えてもインには上がらんよね)。そして、手首は腕の動きは使わず、肩の回転でクラブを上げたら同じようにクラブを下ろす。そして、フォローは低く出すこと。以上。

この打法のメリットは大ミスを減らせること。ノーコックだと、腕のローテーションが入りにくいので必然的に入射角が安定する。よって打点も安定する。クラブがつねに低い位置を通るので、インパクトが少々手前から入っても、ヘッドが滑って助けてくれる。よってトップもダフリも少ない。でもスピンがかからなそう……と思いきや、これが意外にかかっちゃうのだ!

スピンはご存じのとおり、ボールとフェース面の溝が噛み合えば噛み合うほどかかる。インパクトでフェースを返さず、フェースの上をボールが滑るように打つ(アウトに上げ、フェースを斜めに使うイメージ)と、おのずとボールとフェースの接触時間が長くなるので、スピンがかかるというわけだ。

気をつけたいのは、ノーコックというと手首をガチガチに固めなきゃいけないと思ってしまうが、それだとロボットの動きになってしまうので、手首は意図的に動かさない、というイメージで十分だ。

もちろんこの打ち方だと、フワッとは上がらないので、理想とちょっと違うかもしれないけど、スピンが効いた低い球のアプローチなんて、より玄人っぽくてカッコイイと思う。

スピンは難しいから、自分は全部パターンのように転がすんだ、と言う人もいるかもしれない。ただ硬いグリーンや傾斜などからは、やっぱりスピンを効かせた球のほうが寄りやすい。マスターすれば、必ず味方になってくれるはずだ。これなら練習場に行かなくても自宅の庭やじゅうたんで練習しても良さそう。って、うちは練習場だったー。

みなさん、暖かくなったので、ノーコックアプローチの練習をしに練習場に行きましょう!

手首を使わず振れば、フェースにボールが乗り、スピンが効きやすくなる。スピンアプローチは難しいと思いがちだが、特別な技術は必要ない


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年5月1日号より