【青木翔のコーチング現場に密着】新垣比菜編「体の動きよりも“どんな球を打ちたいか”」
渋野日向子との“再タッグ”が話題となっている青木翔コーチの、教え子3人との練習ラウンドに密着。最近指導するようになった新垣比菜に伝えていたこととは?
PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント
●CONTENTS●
#1 伝えるのは“1つ”だけ
#2 新垣比菜編「どんな球を打ちたいか」
#3 野澤真央編「ミスの原因は自分で考える」
#4 田中瑞希編「気分を乗せて盛り上げる」
スウィングを見るだけなら
映像でもできる
昨年9月から指導する新垣比菜に対し、青木コーチはどのようなことを伝えているのだろうか。
「コーチを始めてからまだ期間が長くないので、まずは関係を築くことですね。もちろん練習ラウンドを見てスウィングに対するアドバイスもしますが、それだけだったら映像を送ってもらうだけでもできちゃう。でも、時間を共有してコミュニケーションを重ねることで、どんなことを考えていて何に悩んでいるのかが見えてくる。比菜ちゃんに限ったことではありませんが、お互いに信頼し合っていないとこちらがいくら言葉を選んでも伝わりませんから」
3選手の中でも会話の時間がもっとも多かったのが新垣だったが、やり取りのなかで球筋に関する話が多くされていたのが印象的だった。
「実は練習ラウンドにがっつり付いて回るのは初めてでした。だから、今日だからできることを伝えたかった。例えば傾斜からのショットではどう考えているのかとか。ライに合わせたり、スウィングを気にしているように見えたので『球筋からイメージしてセットアップやスウィングをしてごらん』と伝えました」
目指すものから逆算してするべきことを決めるのは、青木コーチのレッスンの基本だ。
「つま先下がり、左足下がりの複合傾斜の場合、低いフェードが出ますが、どうしたらその球筋で目標に打ち出しやすいかを考えてから構えてほしい。ライに合わせようとすると目標にセットしにくいし、動きやすいスウィングに注力するとライとケンカになる。球筋からの逆算は傾斜地に限ったことではありません。ドライバーでも調子が悪くなると、どうしても体の動きを気にするようになる。もちろんそれも大切ですが、『どんな球を打ちたいのか』という目標を見失わないでほしいんです」
逆算の思考が、選手の自立につながっていくという。
球筋をイメージすることで自分の中にセンサーを作る
ラウンド中、繰り返し弾道のイメージを伝える青木コーチ。打ち出し角やスピン量の基準ができるようになるという。
言葉にすることで頭の中が整理される
会話の多かった2人だが、青木コーチが一方的に教えるわけではない。新垣から言葉を引き出すように対話を重ねる。
球筋を安定させるためインパクトの再現性を上げる
手でクラブを動かすことで、インパクトロフトにばらつきが生じてしまっている新垣。手打ち矯正の練習を繰り返していた
新垣比菜の1Wスウィング
週刊ゴルフダイジェスト2023年4月18日号より
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