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【HS42m/s以下のFW選び】8モデルの3W、4W、5Wを打ち比べ。ほとんどのモデルで4Wが一番飛ぶという驚きの結果に!

3Wは難しいけど5Wでは物足りない。では、4Wってどうなの? そこで、4Wのラインナップがあるフェアウェイウッド8モデルの、3W、4W、5Wを打ち比べ。一般的なヘッドスピードのゴルファーが、最も打ちやすく、かつ飛ばせるのはどの番手か。徹底検証した。

PHOTO/Takanori Miki、Akira Kato THANKS/GOLF PLACE

試打・解説/勝又崇之

かつまた・たかゆき。専修大学卒業後の08年プロテストで木下裕太や片岡大育などを抑えトップ合格。自身のFWは3Wを寝かしたSIM2(16度)を使用。現在はGOLF PLACEでレッスンを実施中。今回の試打では計測器「Golf Swing Better Prizm Pro」と、ボールは「TP5x」を使用。1Wのヘッドスピードが41m/sの力感でスウィングしてもらい、5球の平均をとった

>>3Wがアマチュアには難しい理由とは?

国産ブランド3モデル
「3Wと比べると格段に打ちやすい」

「国産ブランドで4Wをラインナップしているブランドは少ないのですが、今回は3モデルを打ちました。

どれもヘッド形状がシャローバックで低重心。球が上がりやすい特性はあるのですが、やはり3WはドライバーのHSが40~42m/sだと球が上がらず、またスピンが入らないので飛距離が出ません。ところが4Wになるとロフト角で1.5度、長さで1/4~1/2インチしか変わらないのに、打ち出し角が高くなり、スピンがしっかり入る。球が高く、飛距離も出るので、正直、ここまで変わるのか!? とビックリしました。43インチを超える3WをHS40~42m/sのゴルファーが打ちこなすのは上級者でないと難しいでしょう。

続けて5Wも打ちましたが、4Wより短いし、ロフト角も寝ているので、さらにやさしい。ただし、4Wと比べると10Yほど飛距離は落ちます。少しでも飛距離が欲しいという人には5Wよりも4Wがおすすめです。また4Wを入れることで、3W、5Wを抜くことができるのでクラブセッティングを見直すことができます。たとえば、ショートゲーム用にウェッジを1本追加するとか。3Wは打てないけど、5Wだと距離が足りないという人に、4Wはかなりいいと思います」(勝又)

ダンロップ「ゼクシオ 12」
4Wの影面積が大きくつかまり顔で安心する

「しなりを感じるシャフトで球が上がるイメージは強いです。つかまり顔で下の番手になればなるほどその傾向が強く、スライスに悩むゴルファーには強い味方になるクラブです」(勝又・以下同)
●試打シャフト/ゼクシオ MP1200(S)

4W3W5W
総飛距離216.3Y207.1Y210.9Y
キャリー199.7Y190.1Y195.0Y
打ち出し角11.7度9.9度13.7度
高さ21.1Y19.2Y22.5Y

ダンロップ「ゼクシオ エックス」
4Wの長さ、重さがちょうど良く振り感が心地いい

「体積は10ccほど異なるのに、どの番手も同じように感じられる顔はさすがのひと言で、違和感なく構えられます。シャフトがしなるので43インチだと長く感じられ、振り遅れそうな怖さがあります」
●試打シャフト/Miyazaki AX-2(S)

4W3W5W
総飛距離218.7Y207.1Y207.3Y
キャリー202.3Y183.2Y194.5Y
打ち出し角10.5度7.7度12.4度
高さ25.7Y17.6Y27.0Y

マジェスティゴルフ「マジェスティ プレステジオ 12」
フェースアングルが真っすぐで構えやすい

「フェースアングルが真っすぐでスクエアに構えやすい。FP値が大きいので、球を拾いやすく、上がるイメージ。SシャフトはしっかりめでHS40m/s以上必要」
●試打シャフト/MAJESTY LV750(S)

4W3W5W
総飛距離205.8Y207.7Y196.8Y
キャリー197.9Y194.8Y191.1Y
打ち出し角14.1度10.7度14.8度
高さ33.0Y23.3Y38.8Y

外国ブランド5モデル
「43インチでも16.5度なら球が上がる!」

外国ブランドのフェアウェイウッドは3Wと4Wのシャフトの長さがまったく同じ43インチ。

「長さだけでなく、重さも体積もほぼ同じ。3Wが打てないのに、似たようなスペックの4Wが打てるのか、と思うかもしれませんが、わずか1.5度とはいえロフト角が寝ていることが大きい。フェース面が見え、かつリーディングエッジが前に出て、FP値が大きくなっているので、4Wは球が拾いやすいんです。また、5Wとは明確な飛距離差が出るので、HS40~42m/sのゴルファーであれば、3W+5Wではなく、4W+5Wが正解だと思います」(勝又)

キャロウェイ「ローグ ST MAX」
3Wと4Wの顔は同じだがやさしさは断然4W

「3Wと4Wの違いはフェース面の見え方くらいで、正直、4Wを『3Wだよ』と渡されたら3Wだと思うほど。でも、この5Wが打てれば間違いなく4Wは打てるので、4W+5Wがおすすめ」
●試打シャフト/ベンタス 5 for Callaway(S)

4W3W5W
総飛距離233.3Y215.5Y210.0Y
キャリー219.9Y198.6Y203.5Y
打ち出し角11.8度10.0度14.5度
高さ27.5Y21.2Y39.3Y

キャロウェイ「ローグ ST LS」
この4Wは自分のシャフトで使いたい

「“LS”の名称通り、かなりの低スピンで強い球が打てます。HS40~42m/sのゴルファーだと少々オーバースペックで4W+5Wを使用する場合は、フレックスをSRにしたほうがいいでしょう」
●試打シャフト/テンセイ 55 for Callaway(S)

4W3W5W
総飛距離223.0Y223.9Y212.9Y
キャリー212.7Y208.5Y201.8Y
打ち出し角13.3度9.1度15.1度
高さ29.8Y23.6Y33.4Y

タイトリスト「TSR2」
タイトリストらしい顔で硬派だけどやさしい

「やはり硬派なタイトリストなだけあって、他のメーカーの15度よりも球は上がりづらい印象です。フェース面が見えているので3Wより4Wのほうが大きく見え、安心感があります」
●試打シャフト/TSP110(S)

4W3W5W
総飛距離215.6Y217.7Y201.7Y
キャリー200.1Y202.8Y192.4Y
打ち出し角12.7度10.0度14.6度
高さ24.2Y17.6Y33.3Y

タイトリスト「TSR3」
低スピン性能が高く、強弾道で飛ぶ

「小ぶりなヘッドでHSが上がりそうなイメージです。3W~5Wのすべてで低スピン性能が高いので、球は上がりやすいとはいえません。HS40~42m/sの上級者向けといっていいと思います」
●試打シャフト/TSP310(S)

4W3W5W
総飛距離221.5Y219.8Y208.2Y
キャリー208.7Y206.8Y200.5Y
打ち出し角11.8度10.4度13.8度
高さ27.1Y23.6Y31.1Y

PXG「0311 XF GEN5」
4Wで17度。見た目にも安心感が高い

「投影面積が大きいので、球が当たる安心感は大きいです。4Wが17度なので、その分、打ち出し角は大きく、しっかり上がります。太グリップで手の悪さを抑えるのもいいですね」
●試打シャフト/フジクラ プロ 65(S)

4W3W5W
総飛距離221.5Y221.2Y204.2Y
キャリー209.4Y202.4Y196.1Y
打ち出し角12.3度11.2度15.6度
高さ27.4Y23.6Y34.3Y

3W、5Wを“カチャカチャ”で
4Wにしたらどうなる?

4Wはラインナップされていないが、調整機能が付いている3Wと5Wを4Wのロフト角(16~17.5度)にセットし、5Wのシャフトに付けて試打を行った。

「3Wのほうが体積や投影面積が大きいので、構えたときの安心感は3Wを寝かせたほうが強いですね。同じロフトでも5Wはロフト角を立たせる分、重心が前に来て低スピンの分厚いインパクトで飛距離が稼げるイメージです。

また3Wのヘッドを寝かせると、フェースアングルはクローズになりフェースがかぶるので、引っかけやチーピン持ちの人は気を付けたほうがいいでしょう。5Wを立たせたほうのメリットは、小ぶりなのでラフからでも抜けやすいこと。また、3Wを寝かせたときとは逆に、フェースアングルはオープンになるので、左に行かせたくないゴルファーにはいいと思います」(勝又プロ)

「ゴルフはイメージが大事。結果が良くても、構えたときにイメージが悪いと使いづらい。たとえばピン『G425 MAX』の結果は3Wのほうがいいのですが、見た目は5Wが好きなので僕が使うなら5Wです」(勝又プロ)

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月27日号より