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【HS42m/s以下のFW選び】3Wは上がらない、5Wは物足りない…それなら「4W」は? クラブの専門家に聞いた

ロフトが立ち、シャフトも長い3Wをフェアウェイから直接打つのは難しい。でも、5Wでは少々飛距離が物足りない。それなら3Wよりやさしく、5Wより飛ぶ「4W」を入れるのはどうだろう? まずはクラブの専門家に話を聞いた。

PHOTO/Takanori Miki、Akira Kato THANKS/GOLF PLACE

解説/山崎康寛

練馬区上石神井で「GOLF PLACE」を主宰。ツアープロや競技アマから信頼を受けるカリスマクラフトマンにして、カリスマフィッター。クラブへの造詣の深さはプロゴルファーが学びに来るほど

長さ43インチ・ロフト15度の壁

3Wを苦手とするアマチュアが多い理由について、プロアマ問わず、多くのゴルファーから信頼されるクラフトマンの山崎康寛さんに話を聞いた。

「パーシモン時代の1Wは長さ43インチがほとんどでした。それからヘッド素材がメタルやチタンと移行していくと、ヘッドを軽くすることができ、またカーボンシャフトの進化によって、以前とバランスを変えずにシャフトを長くできるようになりました。シャフトを長くすることでヘッドスピードが上がり、飛距離が伸びるわけですから、振り心地が同じなら、長いほうがいいと思うのは当然だと思います。この1Wの長尺化の影響もあって、FWも長くなり、いまではロフト角15度の3Wがかつての1Wと同じ43インチが標準になっています。基本的にパーシモン時代もいまもゴルファーの身長や体型などは大きく変わらないので、43インチのクラブをティーアップしていない状態で打つことがいかに難しいのかはわかると思います。いわゆる昔のクラブで“直ドラ”しているようなものですから。

また、15度のロフト角を1Wのヘッドスピードが42m/s以下のゴルファーがフェアウェイから打つと、球が十分に上がり切らず、また低スピン設計のヘッドとボールの影響もあり、球がドロップし、飛距離が落ちてしまうことも少なくありません。私の経験でも、HS42m/s以下で打ち、ミート率が1.5という、いわゆる芯に当たった状況でも、データでは打ち出し角が10度に届かず、最高到達点が20mほどしかいかないこともありました。ランはかなり出るので、総飛距離を考えると『飛んだ』という印象はありますが、キャリーが出ていないので“打てる”とはいえません。やはりアマチュアがフェアウェイから打つ場合はロフト角が16.5度以上必要なのです」

海外のトップ選手も4W相当を使用するケースが増えている

今季、PGAツアーを席巻したスコッティ・シェフラーやLIVゴルフの旗手となったダスティン・ジョンソンなど海外のトッププロのセッティングをみると、1Wの次は16.5度と、ロフト角が4W相当のクラブを入れている選手が目につく。山崎さんに理由を聞くと「ウェッジを1本追加するために、3W&5Wと入れていたのを4Wに統合した場合と、3Wでは飛び過ぎるのでロフト角が寝ていてある程度スピンが入る4Wで狙いたい場合の2つが考えられます。アマチュアゴルファーとは理由が異なりますが、4Wを試すきっかけとしてはいいと思います」という。

>>では実際4Wは42m/s以下でも
打ちこなせるのか?

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月27日号より