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【ヘッドデータは嘘つかない】小ぶりヘッドでインテンショナルに球を操れる! ブリヂストン「Bリミテッド 415」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はブリヂストンゴルフの『Bリミテッド 415』ドライバーを取り上げる。

男子プロの要望で生まれた一本?

クラブとヘッドの計測結果を記載していこう。数値はすべて実測した値になる。クラブ長は45.25インチとやや長めで、クラブ重量は309.6gとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが291万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だとドライバーのヘッドスピードが45~46m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計だ。

同社が出している他のB系モデルとは輪郭形状が違うヘッド設計で、一般のドライバーに比べてかなり小ぶりで、恐らく誰か男子プロの要望で開発されたものと想像できる。ヘッド後方が高いハイバック形状で、アドレスではインパクト付近をレベルにスウィングするイメージがあり、また、フェースは少しフックフェースなので、米国モデルのようなオープンフェースが嫌いなゴルファーが構えやすいと感じるはずだ。

Point1 クラブ慣性モーメントが291万g・㎠とやや大きい
Point2 ヘッド体積が412ccと小さい
Point3 リアルロフト角が9.2度と小さい

弾道を自在に操りやすい

実際に試打したところ、まずアドレスではプロモデルらしく顔が良くて素直に構えやすく、小ぶりなヘッドで球をつかまえながらもインテンショナルに弾道を操作できそうなイメージが出ている。試打クラブはロフト角9.0度で、カスタム専用モデルのため、今回は三菱社製『ディアマナ PD60(フレックスS)』仕様。シャフトは適度なしっかり感があり、インパクトの再現性も良く、ヘッドは412㏄と小ぶりでスイートスポット高さも33.5mmと低いので、高いティーアップよりも低めのティーアップでスウィングしたいゴルファーと相性がいいだろう。標準仕様としてはソールのヒール側のウェイトのほうが重いので、ヘッドの重心距離が33.0mmと非常に短くなり、フェース面のスイートスポットもヒール寄りになっている。このため、フェースの中央で球をヒットしても球にドロー回転が入りやすい設計だ。

小ぶりヘッドなだけあり、ヘッドの慣性モーメントは3719g・㎠と『B1』、『B2』、『B3』の各ドライバーよりもかなり小さく、決して寛容性のあるやさしいヘッドではない。ヘッドのネック軸周りの慣性モーメントが5524g・㎠と非常に小さいことを利用し、ヘッド本来の性能を引き出したドローだけでなく、インテンショナルにフェード系にも弾道を操作しやすいことが大きな特徴だろう。フェード系弾道が好みのゴルファーなら、ソールのウェイトを標準とは逆にトウ側を重くすると、より球のつかまりを抑えてストレート~フェード系に打ちやすいだろう。リアルロフト角設計は9.2度と厳しく、一般的なアベレージゴルファーには難しいが、ヘッドスピードが48m/s以上あれば、中弾道の強い球を打てそうだ。

少しフックフェース気味だが、57.0度のフラットなライ角の影響もあり、つかまえ過ぎない顔でターゲットに対してスクエアに構えやすいイメージ

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

ブリヂストンゴルフ

Bリミテッド 415 ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より