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【プロスペック】細部までこだわり抜いた“専用パター”がメジャー制覇を引き寄せた! マシュー・フィッツパトリックの14本

プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、今年の全米オープンを制したマシュー・フィッツパトリックのセッティングに注目。

PHOTO/Blue Sky Photos

マシュー・フィッツパトリック
1994年9月生まれ。英国出身。ノースウエスタン大学時代にザ・カントリークラブで開催の全米アマ優勝。翌年プロ転向。今年6月、同コースでの全米OP優勝。欧州7勝

今年の6月、全米オープンでメジャー初優勝を遂げたM・フィッツパトリック。難コースのザ・カントリークラブ特有の硬く小さなグリーンを克服したパターは、ブレード型のベティナルディ製。パター開発の初期段階からパトリックが参加した、いわばワンオフパター。ベティナルディの担当者に聞いた。

「フィッツパトリックとプロトタイプの開発とテストをスタートさせたのが2016年でした。その作業を継続していき、正式に契約したのは昨年でした。

彼が最もこだわったのは、フローネックのオフセットラインとインパクトフィールの2点です。長い間使っていたパターからの移行だったので、数値上のオフセットだけではなくハンドベンディングによるフローネックのカーブについてOKが出るまでかなり時間をかけて仕上げていきました。打感については、ベティナルディオリジナルのグルーブ加工『RCフェース』の深さと幅を微妙に調整していき、打感・サウンド・タッチすべてに納得したミルドフェースとなりました。ヘッド素材のDASSは、303SS(ステンレススチール)に特殊な熱処理を施した独自のモノ。ベティナルディのツアーパターはすべてこの素材です」

こだわり抜いたフェース面を見ると、アーチ状のデザインがかなり特徴的。

「これはフィッツパトリック専用です。打感や転がりといったパフォーマンスのためではなく、彼が構えたときに安心感をもたらすデザインで、かつて使っていたパターの見え方に近づけたものです。実はこのパター、全米オープン優勝記念モデルとして9月に274本の発売が決まって、日本では50本の予定です」

ロフト2.5度、ライ角71度、ヘッド重量343グラム、長さは34インチ。完全メジャーチャンプ仕様のパターだ。

6年前からフィッツパトリックとベティナルディで開発してきたパター。ネックを含めた構えた時の見た目、打感、打音、タッチにこだわった専用モデルだ

ドライバーはタイトリスト「TSi3」のロフト9度。優勝した全米オープン以降、7月の全英オープン(21位タイ)でもこのモデルを使用。シャフトはテンセイAVシリーズのオレンジ。中弾道&低スピンの振り抜きやすいシャフトだ

フィッツパトリックは13歳の時からピンのクラブを使用。2015年のプロ転向後もツアーでの調整などサポート。「S55」アイアンは2013年モデルでほぼ10年使用。4Iのみ「i210」アイアンを入れる

ウェッジは「SM8」時代からボーケイを愛用。現在は「SM9」。52度(写真)や56度を使ってのクロスハンドアプローチでグリーン周りをプレーする

ボールは「プロV1x」 。「このボールを気に入っているポイントは、まずインパクトでのしっかりとした打感があること、そして、ボールで最も大切なスピンと弾道の安定性が非常に高いこと」(フィッツパトリック)

マシュー・フィッツパトリックの14本セッティング

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より