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【ギアラボ】今やアイアンシャフトの王道「モーダス3」。最新の『115』は今どきヘッドにピッタリだった!

ギアラボ
2022.06.21

ダイナミックゴールド一強の時代に待ったをかけ、10年の歳月をかけて確実にシェアを伸ばしてきた日本シャフトの「モーダス」シリーズ。今やアイアンシャフトの“王道”にまで成長し昨年誕生した「115」シリーズはその集大成と言える。モーダスの人気と成長、性能の秘密を探っていく。

PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/太平洋C八千代C

「モーダス3」の由来はラテン語の“要素”
ラテン語で要素を意味する「MODUS」に、「弾道の左右高低」「距離」「方向性」という3要素をコントロールするという意味が込められている

10年目の集大成
“ど真ん中”のシャフト完成

「ダイナミックゴールドが合わない人がいるはずだ」との思いから、モーダスの歴史は始まった。それから10年、モーダスは今やアイアンシャフトの王道に成長したわけだが、最大の特徴は「スチールでありながら、それぞれまったく別もの」ということ。

スチールシャフトは通常、素材の硬度をコントロールするのが難しいとされている。だからこそ挙動が安定するという側面もあるが、性能の違いが出にくいとも言える。しかし、モーダスは独自の技術を使い、スチールシャフトでありながら、性能の差をはっきり出すことで、他のスチールシャフトと区別し、ニーズに応えてきた。

そして、集大成とも言えるのが「115」シリーズ。「115」は、スチールシャフトが持つ伝統的な心地よいしなりはそのままに、クラブの軽量化が進んだ今の時代だからこその重量感をプラスした、誰もが手にできる“ど真ん中”のシャフトに仕上がった。

「どんなシャフトでも作れる技術力がある」ことこそ、モーダスが進化を続けられる理由だ。

「モーダス」シリーズ1000万本突破!
プロのニーズに応え続けた10年間

【2009年】
■PGAツアーで求められているものを調査
ダイナミックゴールド一強の時代、「DGが合わない人もいるはずだ」と、選手へのヒアリングを重ねた。初めてモーダス(プロト)を使用したのがビジェイ・シン

【2010年】
■第1号シャフト「モーダス ツアー120」完成
「先が硬くて、操作性がいい」ツアー120。PGAツアーのニーズに応えたシャフトであったが、一般のスチールシャフトに比べると、ややクセがあった

【2011年】
■11年3月に日本上陸。近藤智弘が初めて使用

【2013年】
第2号シャフト ガルシアのために作られた「ツアー130」
「高弾道で低スピンのシャフトがほしい」というガルシアの要望に応えた一本。「120」と比べると真逆と言っていい性能だった

【2014年】
第3号シャフト 国内男子プロの意見でできた「ツアー125」
国内男子プロのフィードバックから作られたシャフト。モーダスシリーズの中でもっともクセがなく、誰でも親しみやすい仕上がりに。池田勇太と片山晋呉はともに当時モーダスを使用し、日本オープンで優勝争いを演じた
第4号シャフト 初めての軽量モデル「ツアー 105」
ドライバーの軽量化とともに、シャフトの重量も見直されるようになった。シリーズで初めて100g台のシャフトが登場した

【2016年】
■ヘンリク・ステンソンが全英オープン制覇
16年の全英オープン。フィル・ミケルソンとの激闘を制したステンソンを支えたのは「ツアー120」だった

【2017年】
■マスターズを初めて制覇
13年に、ガルシアのために作った「ツアー130」で、ガルシアが見事マスターズを制覇した

【2021年】
■第5号シャフト 10年間の集大成「ツアー115」
伝統的なスチールのしなり感に、現代のゴルフにマッチさせたシャフト。重さも「125」と「105」の中間、性能もちょうど中間、モーダスにとっていろんな意味で“ど真ん中”のシャフト

あの人もこの人も! モーダス使用者急増中

今では国内男子のシード選手20名が「モーダス」のアイアンシャフトを導入。“王道”と呼ぶにふさわしい成長を遂げた(左:トニー・フィナウ、右:比嘉一貴)

ヘッド違いで打って分かった
「115」は今どきヘッドにピッタリだ

試打・解説/伊丹大介

いたみだいすけ。プロアマ問わず幅広くレッスンを行う。クラブへの造詣が深いことでも有名。今回はピンのマッスルバック「ブループリント」と鍛造アイアン「i59」に同じ115(S)を装着し試打を行った

【「115」の特徴1】
適度なしなりでヘッドの重みが生きる
「115はしなりの量がちょうどよく、ある程度ヘッドの重みがある鍛造アイアンにつけて打つと切り返しで程よい間ができる。少し軽めのマッスルバックだと、振りやすさはありますが、ヘッドを感じにくくなりましたね」(伊丹・以下同)

【「115」の特徴2】
切り返しでの“たわみ”が少ない
「全体的にバランスのいいシャフトです。スチールらしく、全体が程よくしなります」

「115」の特徴3】
インパクトで当たり負けしない
「スピードを出しても先が暴れないのでインパクトで当たり負けしません。弱々しい感じがないですね」

高さは「125」と「105」の中間、中弾道!

「システム3 ツアー125」「ツアー105」の流れをくむ素直なシャフト。伝統的なスチールのしなりに、現代のニーズをマッチさせた

「115」の開発には稲森佑貴も関わっていた

長年モーダスを使う稲森からの意見も加味して「115」は完成した。「ロングアイアンでは球がしっかり上がってくれて、高さで球が止められる。ショートアイアンではしっかりスピンが入ってくれます」(稲森)

「こんなシャフトがないかなぁ」が
モーダスなら叶う!

表の線は剛性分布を表し、高いと硬く、低いと軟らかい。つまり、120は真ん中がよくしなり、130は先がしなる

月刊ゴルフダイジェスト8月号より