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【工房系ドライバー調査団】Vol.3 「カムイ」の新ステージ“往年の飛びを取り戻す”

30年ほど前に中部のシングルの間で火がつき、いつの間にか全国に名を馳せることとなった『カムイプロ300』。“伝説の地クラブ”を生み出したカムイの最新モデルが登場した。

PHOTO/Tomoya Nomura

トウ・ヒールには円形溝、センター部には深い溝と2段階の深さを採用。トウやヒール、フェース下部でミスヒットしたときのソールの変形を抑えることで飛距離ロスを防ぐ


カムイ

(富山県)

世界初のメタルウッドを作った「サンケイゴルフ」があった富山県高岡市にあるカムイ。30年ほど前に発売した「カムイプロ300」は厳選したチタン素材で作られた4ピース鍛造ヘッドで、中部地方を中心に口コミで評判が広がり、地クラブの雄にまで上り詰めた。10年近く前からヘッドの全数検査を実施し、反発係数ルール“ギリギリ”の飛びをゴルファーに届ける


常務・中条恭也さん

「飛ばなきゃ、ゴルフは面白くない」という、創業社長で父でもある中条佳市さんから薫陶を受けた恭也さん。窒素ガス入りヘッドで話題になった『TP-07 ニトロゲン』などの開発を手掛けたスペシャリストだ

“往年の飛びを取り戻す”カムイの自信作

プロにも愛用者が多かった『カムイプロ300』以降も、『KPシリーズ』や『TPシリーズ』などの人気クラブを世に送り出してきたカムイだが、数年前から「カムイブランドでやさしいクラブはないのか」という声が届き始めた、と常務で開発担当の中条恭也さんは言う。

「上級者が叩ける顔にこだわっているので、やはりディープフェースの硬派なげんこつヘッドがカムイの特徴。そこを気に入ってリピートしていただいていることは十分承知しています。しかし、『カムイプロ300』を愛用していただいていたゴルファーのほとんどがシニア世代になり、飛距離の衰えを感じていて、『構えたときにやさしいって思えるクラブはないの?』という要望が多くなってきたのです。そこで、約3年前から“ヘッドスピードが落ちてきたシニア層に往年の飛びを取り戻す”をコンセプトに、いかにやさしく飛ばすかを追求して作ったのが『XP03』なのです」と恭也さん。余談だが、『XPシリーズ』はこれが初代なのに、なぜ『03』なのかというと、「作ったはいいけど、納得いかず発売に至らなかったモデルが2つあるからです(笑)」だそう。


「まずは形から入ってもらうために、『KPシリーズ』や『TPシリーズ』に比べ、シャローフェース・シャローバックにしています。そのおかげで、投影面積が大きく、安心してアドレスできるようになり、重心も低いので球が上がりやすくなっています。また、つかまるイメージはやさしさにつながるので、フェースアングルは0.5度ですがフックフェースにしています。

とはいえ、“飛ばなきゃカムイじゃない”ので、飛ばし性能にもこだわり、カムイ初のテクノロジーを搭載しました。ひとつが“可変ホーゼルシステム”。ゴルファーひとりひとりがこのクラブで理想の弾道を手に入れてほしいという願いで、搭載を決めました。もうひとつがフェースの“レーザーミーリング”です。フェース面のスコアラインは打点のブレや雨の日のラウンドでも安定したスピン量を得られて、弾道は安定するのですが、逆に反発性能を示すCT値が安定せず、製品誤差が生まれやすいというデメリットもあります。そこで、レーザーで細かなミーリングを入れ、スピン量とCT値の安定を実現しました。また、他社には少ない“βチタン(DAT55G)鍛造カップフェース”なので、強度とたわみ性能を維持しつつ、フェース面上下に溶接箇所がなく、裏肉の少ないレーザー溶接と相まって、心地よい弾き感と爽快な打球音を演出しています。そして、そのカップフェースのたわみを生かすために、ソールには深さが異なる“2段階の溝”を設置。ソールの剛性が高まり、フェースのみがたわみ、エネルギーロスを防ぎました。カムイらしさを残しながら、バランスがいいクラブに仕上げています」(恭也さん)

カムイ
『XP-03

カムイ初となる可変ホーゼルシステムを採用。8通りのロフト角(9~12度)、ライ角(59.5~62度)に調整可能で、好みの弾道を手に入れやすくなった

◎素材/DAT55Gチタン(フェース)、8-1-1T(i ボディ) ◎ロフト角/10.5度(±1.5度) ◎ライ角/59.5度(+2.5度) ◎ヘッド体積/460cc ◎価格(ヘッド)/7万4800円

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より