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【ヘッドデータは嘘つかない】“やさしさ”が全面からにじみ出る「ゼクシオ12」アイアン

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はダンロップの『ゼクシオ12』アイアンを取り上げる。

スリクソンZXドライバーの
テクノロジーを応用

国民的ブランド「ゼクシオ」も12代目に突入。同じシリーズのクラブをこれほど長く世に送り出しているメーカーは稀有だろう。今回は『スリクソンZXドライバー』で培った飛びの反発構造「リバウンド フレーム」をアイアンに応用し、飛ばしやすいクラブになっている。

では、7番アイアンのクラブやヘッドを計測していこう。いつもどおり数値はすべて実測した値になる。クラブ長さが37.25インチとやや長いが、クラブ重量は標準カーボンシャフト『ゼクシオ MP1200 ネイビー(以下ネイビー)』仕様で367.1gと非常に軽く、スウィングウェートもC9.5とやや小さめなので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体慣性モーメントが262万g・㎠とやや小さく抑えられている。この数値だと、ドライバーのヘッドスピードが38~39㎧くらいのゴルファーが、タイミング良く振れるだろう。

ヘッドは伝統の長く大きなフェースで、いかにも打ちやすそうな安心感がある。そして、これも同様にトップラインは丸く、球を包み込むイメージが出ており、強めのグースネックとアップライトなライ角度で球をつかまえようとしているのがわかる。また、トップラインは厚く、フェースの上側打点への強さも意識されている。

Point1 クラブ長さが37.25インチとやや長い
Point2 
クラブ重量が367.1gと非常に軽い
Point3 
ヘッド重量が262.3gと軽い

ストロングロフトだが上がりやすい

実際に試打したところ、まずアドレスするとフェースの長さだけでなく、一般の他のモデルに比べてフェースが高いディープフェースであることに気づくはずだ。そのディープフェースのためにストロングロフトにもかかわらず、比較的ロフトが多めに見え、より打ちやすいイメージも出ている。試打クラブは7番で、標準カーボンシャフトの『ネイビー(S)』を装着。シャフトはかなり軟らかめで、ドライバーのヘッドスピードが37~38㎧くらいのシニアゴルファーでも振りやすいと感じるだろう。フェース面は硬くインパクト音も高いが、フェースの弾きは良く、以前のゼクシオでときどき感じた「インパクトでのパチンという違和感のある音」がなくなったようで気持ちよくスウィングができる。

対象ユーザーとなるシニアゴルファーにも打ってもらったが、まずカーボンシャフトで振りやすいことと、もちろんストロングロフトだが、ロフト角を28度にとどめているのが良く、「7番アイアンでも球が上がる」という声が聞こえた。

そして、以前のゼクシオと比べてソールにバウンス角がついているが、リーディングエッジがとてもシャープなので、ターフを取るようなダウンブロースウィングよりも、ターフをほとんど取らないスイープなスウィングのほうがソールの抜けはいいだろう。

左から5I(22度)、7I(28度)、9I(38度)。7番アイアンでロフト角27.5度はやはり「ストロングロフト」といえる。しかし、他社の飛び系ほど立っておらず、シニア層でもフェアウェイのあるがままの状態から打てるクラブになっている

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

ダンロップ

ゼクシオ12 アイアン

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より