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【ヘッドデータは嘘つかない】UT感覚でやさしく飛ばせる! 「マジェスティロイヤル」アイアン

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はマジェスティゴルフの『マジェスティロイヤル』アイアンを取り上げる。

飛びのテクノロジーを集めたアイアン

「攻めのマジェスティ」というコピーを付けた『マジェスティロイヤル』シリーズのアイアンは、反発力が高く薄肉化したタフェストマレージング鋼をフェースに採用。バックフェースに配置した「パワートラスキャビティ」がボディのたわみを抑制し、反発力をフェースに集中させ、キャリーで狙える飛び系アイアンに仕上がっている。

さて、いつもどおり7番アイアンのクラブやヘッドを計測していこう。数値はすべて実測値を表記する。クラブ長さは37.625インチと一般的な6番アイアンとほぼ同じ長さで非常に長いが、クラブ重量が355.1g(標準カーボンシャフト・マジェスティLV540)と非常に軽いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体慣性モーメントが262万g・㎠に抑えられ、この数値だとドライバーのヘッドスピードが39㎧くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計となっている。試打クラブはマジェスティLV540のSRが装着されていてかなり軟らかめ。このシャフトならドライバーのヘッドスピードが30㎧台半ばのシニアゴルファーでも振りやすいと感じた。ロフト角は7番で27度なので、フェアウェイからあるがままの状態でも球をギリギリだが上げられるはずだ。

Point1 クラブ長が37.625インチと非常に長い
Point2 クラブ重量が355.1gと非常に軽い
Point3 クラブ全体慣性モーメントが262万g・㎤と小さい

スイープなスウィングに合う

フェースの長さが非常に長く、いかにも打ちやすそうなイメージがあるヘッドで、トップラインが丸く、かつ強いグースネックなので球をつかまえるイメージも出ている。フェースのヒール側が高いので、アドレスでヘッド全体が四角く見えるのも特徴のひとつだ。

構えると、長さもロフトもまさに6番アイアン。フェースが非常に長く、ソール幅も広いので、やさしいユーティリティクラブのように使うイメージが出ている。フェース面に高強度のマレージング鋼を使用しているため打感は硬く、インパクト音も高いが、球の弾き感はいい感じだ。また、ソール面のバウンス角が1度と小さいので、ダウンブロースウィングよりもターフを取らないスイープなスウィングに向いている。

フェースが非常に長いヘッドだが、重心位置がかなりヒール寄りに設計され、ヘッドのネック軸周り慣性モーメントが5576g・㎠とやや小さく抑えられていて、長いフェースの割にはダウンスウィングでのヘッドの操作性は高いと感じた。

スイートスポットがかなりヒール寄りで、普段アイアンでフェースのトウ側に球が当たりやすいゴルファーよりも、ある程度球をヒール側に引きつけて打てるフェード系弾道のゴルファーのほうが芯を食いやすいだろう。

左から5I(21度)、7I(27度)、9I(34度)。トップラインが丸く、かつFP値が1.6mmと強いグースネックなので、球をつかまえるイメージがある。またフェースが非常に長く、安心感を持って打てるのも特徴

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

マジェスティゴルフ

マジェスティロイヤル アイアン

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月17日号より