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【ヘッドデータは嘘つかない】 振りやすく、ミスに強い! 本間ゴルフ「TR21X」アイアン

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回は本間ゴルフの『ツアーワールド
TR21X』アイアンを取り上げる。

反発係数が高くミスヒットにも強い

アイアンの作りに定評のある本間ゴルフならではの、安心して構えやすい“顔”に最大限の飛距離性能を引き出す中空構造が組み合わさったのが今回紹介する『ツアーワールド TR21X アイアン』だ。

フェースには反発性に優れたマレージング鋼(C300)を採用。「Lカップ構造」で反発エリアを拡大させ、フェース下部でのヒットでも飛距離のロスを軽減。また、充填剤により反発力を落とすことなく、打音・打感を向上。ソール後方のタングステンウェートが深・低重心化を実現。

いつもどおり、数値は7番のヘッドやクラブの実測値を記載する。クラブ長さが37.0インチと標準的だが、クラブ重量は390.3g(標準カーボンシャフト仕様)と軽く、スウィングウェートもC9.5と小さめなので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体慣性モーメントが265万g・㎠とやや小さく抑えられ、ドライバーのヘッドスピードが41㎧くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計になっている。

Point1 クラブ重量が390.3gと軽い
Point2 スウィングウェートがC9.5と小さい
Point3 ヘッド重量は272.6gと重い

カーボンシャフトで振り抜きやすい

ヘッドは本間ゴルフのアイアンらしくオーソドックスな形状で、トップラインもストレート系のため、ラインに対してスクエアに構えやすい感じが出ている。プロモデルとアベレージモデルの中間的なフェースの長さとグースネックで、本格派のプロモデルよりもやさしさが出ている。

実際に試打したところ、ヘッドはプロモデルイメージのオーソドックスな形状だが、強めのグースネックで球をつかまえる感が出ている。本格派のプロモデルよりもフェースが長めでソール幅も広くやさしさを感じさせる。試打クラブは7番で標準のカーボンシャフト(VIZARD TR20-65のフレックスS)を装着。クラブ重量が軽く、シャフトも軟らかめなのでシニアゴルファーでも振りやすい印象がある。7番で30度とややストロングなロフト角だが、カーボンシャフト仕様でクラブが軽く振りやすいので、フェアウェイから球は上げられる。また、フェース面は非常に硬く、打感も硬いが、ヘッド内部の注入剤により、インパクト音は抑えられている。

ヘッドはやや大きめながらもヘッドのネック軸周りの慣性モーメントは5575g・㎠と小さめなので、ダウンスウィングでヘッドの返りも良く、ヘッドの操作性とグースネックで球はつかまえやすい。そして、フェース面のスイートスポットがヒール寄りの設計(重心距離が36.5ミリ)で、普段フェースの先側(トウ側)に球が当たりやすいゴルファーよりも、球をヒール寄りに引きつけて打てるフェード系弾道を得意とするゴルファーに向いているだろう。

左から5I(23度)、7I(30度)、9I(38度)。トップラインはストレートでターゲットに対して構えやすい。FP値が2.7ミリとやや大きく、グースネックなので球がつかまるイメージがある

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

本間ゴルフ

ツアーワールドTR21X アイアン

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月10日号より