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“カッコよさ”と“やさしさ”がアップ! タイトリストのニュー「Tシリーズ」アイアンを打ってみた

タイトリストから、新しい「Tシリーズ」のアイアンが発表。さっそく全モデルを入手し、試打を敢行した。

発表されたラインナップは、「T100」「T100S」「T200」「T300」の4モデル。前作同様、T100が最もシャープなツアーモデルで、数字が大きくなるにつれ、寛容性の高いモデルとなっている。さっそく「T100」から順番に打っていくことに。

『T100』

「T100」は前作からはガラッとイメージが変わり、バックフェースのデザインがシンプルに。小ぶりなヘッドで、構えた見た目も非常にシャープ。いかにも球を操りたい上級者が好みそうな顔つきだ。

打ってみると、ソールがシュパッと抜け、非常に気持ちの良い打感。見た目ほど難しさを感じないのは、トウ&ヒールに配された隠れタングステンの効果かもしれない。

7番アイアンで34度と、オーソドックスなツアーモデルのロフト設定なので、しっかりとハンドファーストに当てられる人でないと、番手なりの飛距離を出すのは難しいだろう。

しっかりとスピンが入るため、球を抑えたり曲げたりと自分でコントロールしたい人には最高のアイアンだと思う。

T100アイアン
●シャフト/NSプロ105T、NSモーダス3ツアー115
●価格/13万2000円(#6~P・5本セット)

『T100S』

一見すると「T100」とまったく変わらない「T100S」。シャープな見た目で、「T100」同様いかにも手ごわそう……。しかし打ってみると、「T100」よりもミスに強い感じがする。飛距離も少し出ていそうだ。

「T100S」の「S」は「スピード」を意味するそうで、そういわれると「T100」よりたしかに球が強い。それでいて、飛び系アイアンのような棒球ではなく、十分なスピン量がありそうだ。

ロフトは7番で32度と、「T100」に比べて2度立っているが、それだけだと、単に球が低くなって余計に難しくなってしまう。もう1つの違いは、バックフェースにあった。下の写真の中央にあるバーを左にズラしてもらいたい。

よく見ると、「T100S」は赤い矢印の部分にミゾのようなものがある。これは「マッスルチャンネル」という機構で、これによって削減された重量をトウ・ヒール部に配することで、「T100」に比べてさらに高い慣性モーメントと定重心化を実現。ミスヒットに強く、かつ十分な高さが得られる要因はここにあったのだ。

T100Sアイアン
●シャフト/NSプロ105T、NSモーダス3ツアー115
●価格/13万2000円(#6~P・5本セット)

『T200』

「T200」はこれまたシンプルなバックフェース。フラットバックの中空構造のようにも見えるが、中はこんな感じ。

説明書きには「マックスインパクト2.0」「コアサポートデザイン」「高弾性ポリマーコア」と難しい用語が並ぶが、要はシンプルな外観とは裏腹に、中身には機能がもりもりに詰まっているということ。

構えた顔も、飛び系アイアンのようにボテッとしておらず、むしろコンパクトでシャープ。オフセットのないストレートネックも中~上級者が好む顔つきだ。

それでいて、打つとやさしく、高さも出る。ロフトが7番で31度と立ちすぎていない点も、個人的にはうれしい。アイアンで重要な、グリーンで止まってくれる弾道が実現できる。

T200アイアン
●シャフト/NSプロ105T、NSプロ880AMC、3D055
●価格/13万2000円(#6~P・5本セット)

『T300』

「T300」は、他のTシリーズとは違い、見た目からして安心感が滲み出ている。トップラインも厚みがあり、構えた瞬間やさしい。そして打ってもやさしい。芯を大きく外れ、いつもならペチッと弱々しい当たりで飛んでいくはずの球が、大きなブレもなく、飛距離もそこそこ出ている。

そしてロフト設定も、このタイプのアイアンとしては立ちすぎていない29度(7番)。低重心設計の効果もあり、驚くほどの高弾道。他のTシリーズに比べスピン量は少なそうだが、これだけ高さが出れば十分に止まってくれそうだ。

T300アイアン
●シャフト/NSプロ105T、NSプロ880AMC、3D055
●価格/11万5500円(#6~P・5本セット)

顔つきを比較するとこんな感じ。

近年のアイアンは、7番アイアンでロフト25度といったモデルもあり、ストロングロフト化が過熱しているが、そのぶん「球が上がらない」「強すぎてグリーンに止まらない」という声も聞かれる。

実は前回のTシリーズは、7番のロフトがT100から順に、33度、31度、30度、29度だった。それが今回は、34度、32度、31度、29度と、ロフトが寝る方向に逆戻りしている。時代に逆行しているようにも見えるが、アイアンにおいて大事なことは何か、という原点に立ち戻って、アイアンの雄・タイトリストが行き過ぎたストロングロフト化に警鐘を鳴らす重要なメッセージと受け止めたい。