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【ヘッドデータは嘘つかない】高慣性モーメントでミスにめっぽう強い! ピン「G425」アイアン

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はピンゴルフの『G425』アイアンを取り上げる。

ミスに強く、飛んで曲がらないアイアン

素材は17-4ステンレススチール、製法は鋳造というのが、ピンゴルフのアイアンの特徴だろう。その素材の強度を高め、「G410」に比べ、フェースの周辺部が約22%薄くなり、ミスヒットでもしっかりたわみ、飛距離ロスを低減させたのが「G425」だ。またトウ側のウェートなどに代表される重量周辺配分設計と、ワイドソールで深低重心を実現したことで、高弾道が可能になり、ミスヒットでもブレが少なくなった。

さて、クラブを計測していこう。いつもどおり、数値は7番アイアンを実測した値を表示する。クラブ長さは37.0インチと標準的で、クラブ重量も412.5g(NSプロモーダス3 ツアー105仕様)と軽量スチールシャフトとしては標準的だが、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントは269万g・㎠とやや大きくなっている。本来はドライバーのヘッドスピードが44~45㎧くらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計になっている。

Point1 リアルロフト角が30.0度と小さい
Point2 重心距離が43.1㎜と非常に長い
Point3 ネック軸周り慣性モーメントが7394g・㎤と非常に大きい

つかまりすぎずに球がしっかり上がる

次にヘッドの考察に移る。「G」シリーズらしく、フェースは長く大きく、かつグースネックでいかにも打ちやすそうなイメージが出ている。また、フェースヒール側が高くネックにボリュームが感じられるので、構えるとややフラット感が出ている。そして、「G710」同様、重心距離が長く、長いフェースと長いネックで、大きなヘッド慣性モーメントを狙っていることがヘッド形状からみてとれる。

実際に試打してみると、やはり大きくて打ちやすそうなヘッドで安心して構えられるし、グースネックで球をつかまえるイメージが出ている。「G710」よりはグース感が弱いため、「G425」のほうが素直に構えやすいだろう。

試打クラブは7番で、NSプロ モーダス3 ツアー105のS。軽量スチールシャフトのなかでは重めで、ダウンブロースウィングにも堪えてくれる。そして、ロフト角30度と、最近流行の25~26度の超ストロングロフトではないので、フェアウェイからもしっかり球を上げられる。また、ヘッドの重心距離が43.1㎜と非常に長く、ネック軸周りの慣性モーメントも7394g・㎠と非常に大きいので、ダウンスウィングでのヘッドの返りが緩やかで、その結果、球が左につかまりすぎず、普段フック系弾道のミスが多いゴルファーに適している。フェースは硬いステンレスなのでインパクト音は高く、打感も硬いが、球の弾き感がいいので、アイアンをユーティリティ的にやさしく打ちたいゴルファーに合うだろう。

左から5I(23.5度)、7I(30度)、9I(39.5度)。左右慣性モーメントは3587g・㎤と、前モデルの「G410」(3554g・㎤)よりさらに大きくなっており、ミスに強いモデルといえる

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

ピンゴルフ

G425 アイアン

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より