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今最も売れているクラブはどれ? 「2021上半期ヒットギア」

PHOTO/Tomoya Nomura

ゴルフ人気の高まりを受け、実店舗はもちろん、オンラインショップでもゴルフギアが空前の売り上げを記録している。そこで大手量販店3社とネット通販・GDOゴルフショップの2021上半期の人気ランキングを調査!

解説/後藤悠斗

雑巾王子こと武市悦宏プロとともに広尾ゴルフインパクトでレッスンを行う。ギアへの造詣も深い

ドライバー部門

2020年もっとも売れた「SIM MAX
その勢いは「2」でも継続中!

GDOと二木ゴルフで、昨年もっとも売れたドライバーは前者がテーラーメイド『SIM MAX』、後者がピンゴルフ『G410シリーズ』だったという。21年上半期は、その後継モデルの『SIM2 MAX』と『G425 MAX』、そしてキャロウェイ『EPIC MAX』が、量販店・ネット販売ともに売上上位を占めた。外国ブランドの勢いが止まらない。

小誌の試打企画で最新ドライバーをすべて打ち比べている後藤悠斗プロに外国ブランド好調の理由を聞くと「外ブラのドライバーはどこも“空力”を謳っており、HSに関わらず振り抜きやすくなっています。また、これまでは『低スピン重視』だったものが、最新モデルは球の上がりやすさも考慮されています。実はHSがそれほど速くないアマチュアが飛ばすには『打ち出し角』がいちばん重要で、生徒さんのなかには最新モデルに替えただけで15ヤード飛距離が伸びた人もいるほどです」

『SIM2』『G425』『EPIC』三つ巴の戦いは続きそうだ。

テーラーメイド「SIM2 MAX」

(ヴィクトリア: 2位、二木ゴルフ: 1位、ゴルフ5: 2位、GDO: 1位)

軽量かつ高強度のアルミニウムをフレームに使用し、フルカーボンソール、カーボンクラウン、カップフェースを溶接なしで結合。大幅な余剰重量が生まれたことで、低重心かつ深重心にでき、球が上がって曲がらず飛ぶようになった

●8万3600円~
●ロフト角/9.5度、10.5度、12度

HSが遅くても球がしっかり上がる

「ヘッドの深・低重心化で、21年モデルのなかでいちばん球が上がりやすいのはこのクラブだと思います。HSが速くない人ほど「とりあえず『SIM2 MAX』」です!」(後藤・以下同)

キャロウェイ「EPIC MAX」

(ヴィクトリア: 1位、二木ゴルフ: 3位、ゴルフ5: 3位)

新しい『EPIC』ではフェースだけでなくジェイルブレイクと呼ばれる内部構造もAIが設計。ボール初速がさらにアップした。また、ソールのトウ寄りにカーボンを使用することでヘッドが返りやすくドローが打ちやすい

●8万4700円~
●ロフト角/9.5度、10.5度、12度


フレームで剛性を高めパワーロスを抑える

「2本の柱からフレームになったおかげでフェースの反発が強くなり、ボール初速が劇的にアップしています」

ピン「G425 MAX」

(ヴィクトリア: 3位、二木ゴルフ: 2位、ゴルフ5: 5位、GDO: 4位&5位)

チタンクラウンを極薄にすることで余剰重量を生み、ヘッド後方部に26gのタングステンを搭載。『G410PLUS』に比べ重心が約4%深く、低くなった。またタングステンウェートは左右に移動可能で、自分に合った球筋に調整することができる

●7万7000円~
●ロフト角/9度、10.5度、12度

投影面積が大きく安心して打てる

「シャローヘッドで見た目の安心感が大きい。フェースアングルもストレート気味で構えやすい」

2021年上半期 ドライバー売上ランキング

松山効果で売り切れ続出!

スリクソン ZX5

「『ZX5』は昨秋の発売当初から“松山英樹使用ドライバー”ということで売れ行きは好調だったのですが、4月のマスターズ優勝で、もう一段階跳ねた感じがあります。『ZスターXV』ボールも、マスターズのロゴとマークが入った特別版の在庫が一瞬でなくなりました」(ダンロップ広報)

アイアン部門

前年王者の牙城をついに崩した
ジャパンブランドが大躍進!

昨年のアイアンの売り上げは、ピン『G710』がGDO1位、二木ゴルフ2位。またGDOの2位はピン『i210』なので、ピンの強さが際立っていた。

しかし、今年上半期はその勢力図に変化が。フォーティーン、スリクソン、ヤマハといった国産メーカーが大躍進。とくにフォーティーン『TB-5』は最大で3カ月待ちという時期もあったほど。いまでも二木ゴルフでは売り切れ御免状態が続いているという。この国産メーカーの逆襲について後藤プロは「ドライバーは飛んで曲がらないクラブがいちばんというのは世界共通で、見た目が独特だったナイキ『サスクワッチ』が我々の想像以上に売れたのがいい例です。しかし、アイアンは見た目に美しさと精巧さがあるクラブを求めるゴルファーが多いのが日本だと思います。そうなると “軟鉄”という素材や“鍛造”といった製法を取り入れている日本製に一日の長がある。『TB-5』や『ZX5』が売れている理由はそこにあると思います」と説明してくれた。

フォーティーン「TB-5フォージド」

(二木ゴルフ: 1位、GDO: 1位)

キャビティ部の段差をなくし、劇場のような形状の「シアターブレード構造」でフェース厚を変化させることで手に伝わる振動を制御。軟鉄鍛造の「打感」と「やさしさ」を両立。『DJ-4』ウェッジと同じソール形状を採用

●12万1000円~(#6~PW・5本セット)
●ロフト角/#6=26度、#7=30度、#8=34度、#9=38度、PW=42度

やさしさ満載のセミアスリートモデル

「いままでになかった形状が面白い。長めのフェース長でやさしさがにじみ出ています」

スリクソン「ZX5」

(ヴィクトリア: 2位、二木ゴルフ: 4位、ゴルフ5: 4位、GDO: 2位&5位)

フェース裏側の周辺に配された溝とユーザーの打点分布に合わせたフェース肉厚設計が大きなたわみを生み、初速アップ。#7でロフト31度と “ちょい飛び”系。稲森佑貴が愛用

●11万8800円~ (#5~PW・6本セット)
●ロフト角/#5=24度、#6=27度、#7=31度、8=35度、#9=39度、PW=44度

三角ソールでダフりにくい

「三角ソールで刺さりすぎを抑え、地面からの抜けの良さは高評価。キャビティなのに空洞感がない見た目もいい」

ヤマハ「インプレス UD+2

(ヴィクトリア: 4位、二木ゴルフ: 2位、GDO: 4位)

マレージング鋼の薄肉フェースの背面に配した5本の縦溝がたわみ総量を維持したまま、縦方向のたわみを低減し、打ち出し角をアップ。高く上がって「飛んで止まる」を実現

●10万5600円 (#7~PW・4本セット)
●ロフト角/#7=25度、#8=28度、#9=32度、PW=37度

ソール幅がぶ厚く低重心で球が上がる

「非力なゴルファーはコレを使っていれば間違いない! というくらいやさしさと飛びを兼ね備えていますね」

2021年上半期 アイアン売上ランキング

FW&UT部門

ドライバーと同じ勢力図
FWもMAXが人気

FW&UTランキングの上位はFWが独占。ゴルフ5によると、ショートウッドを求めるゴルファーはドライバーと揃えるケースが多いとのことで、FWの人気ランキングはドライバーと同様の結果に。

ピン「G425 MAX」

(ヴィクトリア: 1位、二木ゴルフ: 1位、ゴルフ5: 2位、GDO: 1位&2位&5位)

反発が強いマレージングフェースの面積をソールとクラウン部分まで拡大し、約23%たわみが向上。初速アップと高打ち出しを実現した

●4万7300円~
●ロフト角/#3=14.5度、#5=17.5度、#7=20.5度、#9=23.5度

構えやすくて狙いやすい

「リーディングエッジと地面との接地面が広くアドレスでターゲットに合わせやすく構えやすい」

キャロウェイ「EPIC MAX」

(ヴィクトリア: 2位、二木ゴルフ: 3位、ゴルフ5: 4位)

ドライバー同様にAIがフェースとジェイルブレイクを設計。大慣性モーメントのラージヘッドで曲がらずビッグキャリーを生む

●4万6200円
●ロフト角/#3=15度、#5=18度、#7=21度、#9=23度、#11
=26度

投影面積が大きく安心感がある

「丸顔でドライバー感が強いですね。ドライバーの流れで打てます」

テーラーメイド「SIM2 MAX」

(二木ゴルフ: 2位、ゴルフ5: 1位、GDO: 4位)

名器『Vスチール』のソールがさらに進化。『SIM MAX』に比べシャープになり操作性が向上。低重心になり、低スピン&高弾道を実現

●4万4000円~
●ロフト角/#3=15度、#5=18度、#7=21度

操作性がよく中級者以上に合う

「白と黒の境界線があるのでターゲットに対しスクエアに構えやすい」

2021年上半期 FW&UT売上ランキング

パター部門

ツアーで人気のモデルが上位に

パターはアマチュアでもプロと同じモデルを使いこなすことができるので、人気プロが使用しているモデルが上位に並ぶ傾向にある。

スコッティキャメロン「スペシャル セレクト ニューポート2」

(ヴィクトリア: 4位、二木ゴルフ: 4位、ゴルフ5: 1位、GDO: 1位)

パターグリップに「ラムキン」の風

松山英樹がマスターズ制覇の直前に替えたことで話題となったラムキン「ディープエッジパドルコード」。コードなしモデルは稲見萌寧も愛用中

ピンゴルフ「シグマ2 アンサー」

(ヴィクトリア: 3位)

渋野日向子が全英優勝

19年全英女子。誰もが感動した最終日18番のバーディパットはこのパターで

テーラーメイド「トラス TB1 トラスヒール」

(ヴィクトリア: 5位、GDO: 5位)

稲見萌寧のパットを支える

国内女子ツアーで圧倒的な強さを誇る稲見の愛器。テレビで映るシーンが多いことも人気に拍車をかける

オデッセイ「2-BALL TEN」

(二木ゴルフ: 3位)

ジョン・ラームが愛用

今年1月にキャロウェイと契約したラーム。移籍2戦目でこのパターに変更

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より