【マイギアを語ろう】河本結「10本くらい削ってやっと理想のウェッジにたどり着きました」
マイクラブマイギアを語ろう
自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、昨年、5年ぶりの復活優勝、そして今年の「北海道meijiカップ」でツアー3勝目を挙げた河本結。何度も削り直しを行ったというウェッジへのこだわりについて聞いた。
TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Hiroaki Arihara

削り方を試行錯誤し
ようやく完成
河本結は女子ツアーの中でもオタクと呼べるくらい、クラブへのこだわりが強いという。
「私が一番大事にしているのがウェッジとパターです。私の生命線なのでとにかくこだわっています」
特に、58度のソールは独自の削り方をオファー。キャロウェイのツアーレップに削り方を依頼し、10本くらい試してようやく完成したという。
「入り口部分(リーディングエッジ)の削りにこだわっていて、削りすぎてもソールの平らな部分がなくなってしまい、抜け感がなくなり刺さってしまう。かといって、そこを削らないと刃が浮いてしまうので球を拾うイメージが出なくなってしまう。それと、バウンス後方のトレーリングエッジのトウ・ヒールもがっつり落としているので上げる、転がすなどいろんなことができるようになっています」
アプローチの秘訣は
「重いものをゆっくり」
ウェッジのシャフトはアイアンより重め。48度と52度は90g台、58度はさらに重い100g台を装着している。
「58度はグリーン周りのアプローチが主で、結構ゆっくり振りたい。重いものをゆっくり振れる、という技術がないと、アプローチは上手くいかないと思っています。それに、私はアプローチではシャフトのしなりを一切感じたくなくて。振り幅とか、自分の指先の感覚をそのまま伝えたいので、結構硬いものを選んでいます」
バンカーで強めに振る場面やフルロブショットでは、切り返しでシャフトがグニュッとしなる感じがすると躊躇してしまい、ミスにつながるという。
「シャフトがしっかりしていると、しっかりヘッドから振っていける。ハンドレイトというか、ヘッドの入り方をアジャストできます」
ウェッジ
キャロウェイ「OPOUS」


スピン性能を保つため
2カ月で交換する
58度は多用するぶん、グルーブ(溝)の摩耗も激しい。
「スピンが入らなくなって難しい、という意識をつけたくないから、同じスピン量が入るぐらいで替えていかないと。なので、58度は大体2本、練習では入れています」
ほぼ2カ月で交換するが、慣らしと調整の期間をオーバーラップさせているという。
「キャロウェイの担当さんがソールの削り方、バランスなどもしっかり把握してくれているので、同じものを作ってもらえる安心感があります。常に何本かストックしています」
昨年から愛用している『オーパス』ウェッジは、顔も非常に気に入っているという。
「アイアンの延長線上という顔が好き。シャフトからの見え方がアイアンに似ていないと操作するイメージがわかなくなってしまうんです」
アイアン
キャロウェイ「A PEX PRO」(5I、6I)
キャロウェイ「APEX TCB」(7I~PW)

ソールを削って鉛で調整
「5、6番はやさしく球を上げられるモデル。コンボでも違和感のない見た目が好きです。それぞれソール後方を削って抜け感を良くしているぶん、鉛を貼って調整しています」
パター
オデッセイ「ホワイト・ホットOG ロッシーS」

ロフト違いの2本持ち
「エースはロフト角3.5度、ライ角70.5度です。もう1本は同じモデルでロフト角が4度のもの。コーライで初速を出したいときなどに、こちらを使うことがあります」
ボール
キャロウェイ「クロムツアードット」

30Y以内でも“しっかりスピン”の“超軟”ボール
「市販していないモデルですが『クロムツアー』の中で最も打感が軟らかいボール。30~40Yの中途半端な距離でも、しっかりスピンが利いてくれます」
ユーティリティ
キャロウェイ「XR OS」

“飛ばない”のがこのUTの魅力です
「アイアンみたいな顔で、飛ばないUTというのが替えられない理由です。最近のUTは飛びすぎたり、リーディングエッジが前に出ているモデルが多い。本当は替えたいんですけど、ビビッとくるモデルがない感じです」
河本結の14本セッティング


月刊ゴルフダイジェスト2025年11月号より


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