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【マイギアを語ろう】金子駆大「低く打ち出せる2本のFWが手放せません」

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、昨年「ジャパンプレーヤーズ選手権」で石川遼と争って2位、「ANAオープン」でも2位Tなど着実に結果を残し、飛躍の一年となった金子駆大。いま一番初優勝に近い男のクラブ選びを詳しく聞いてみた。

TEXT/Masato Ideshima PHOTO/ARAKISHIN

金子駆大 かねこ・こうた。2002年9月4日生まれ愛知県出身。ジュニア時代は全国レベルで活躍し高校3年時にプロテストに一発合格。昨年は未勝利ながらも賞金ランク14位となりシードを獲得した

想定通りのミスが出ることが大事

トーナメントで勝つためには攻め時、守り時を判断し、プレッシャーがかかる場面でもリスクを背負って攻めなければならないシーンがある。金子はそんなときでも強気に狙うためには、“逆球が出ないクラブ”が必要になると言う。

「全てのクラブに言えることですが、想定しないミスが出るのが一番怖いです。ぼくはまだまだ技術的に下手なのでアイアンでも逆球が出ることがあるんですが、だからこそ想定通りのミスが出てくれるほうが対応のしようがあるし、気持ち良く振っていけます」

アイアンに関しては2年ほど使用していたモデルを、昨年からテストを重ねて今年の3月頃にようやく新しいモデルで調整ができたとのこと。ただ、以前のアイアンが悪かったわけではないのになぜ替える必要があるのか? そこには将来的な明確なビジョンがある。

「古いモデルを使っているとスペアが作りにくい部分があります。あとは来年以降海外を目指したいのもあり、新しいモデルに替えておくことで向こうに行っても苦労しないかなと」

飛ばすことも止めることもできる

そんな金子がどうしても替えることができないのが2本のフェアウェイウッド(3W、7W)だ。

「この2本は本当に良すぎて替えることができない。ぼくが大事にしているのが出球で、出球の高さが低くないと使えないんです。今のクラブはやさしくなっているので出球で高く上がる傾向があるのですが、それだと距離のコントロールができなくて。ユーティリティが苦手ということもありますが、7番ウッドで極端に言えば200ヤードから240ヤードくらいまで打ち分けていて、アイアンを打っている感覚でいろんな球を打ち分けられるのが手放せない理由です」

金子が求める理想の球筋は低く出て、やや吹き上がるように高く上がる弾道だ。フェードヒッターということもあるだろうが、スピンがある程度入ってくれることが操作のしやすさにつながっているようだ。 

金子が求める操作性の肝となっているのがヘッドの抜けで、アイアンはソールを削って抜けを向上させている。「抜けが良くないと距離感も出せないので、ソールには本当にこだわっています。その点では構えた時の顔も重要で、ドライバーなんかはマジックでフェースを塗っているんですよ(笑)」

ドライバー
タイトリスト「GT2」

マジックで構えた見た目を微調整 

構えたときに感じた逃げ顔をメーカー担当者と相談してマジックでフェース面を加工。スクエアに見えるよう微調整を行なっている

シャフトはフジクラ「VENTUS TRブルー(6X)」。ウッド系のシャフトは全て同じモデルで動きの統一感を大事にしている。飛距離も重要だが操作性はそれ以上に重視

フェアウェイウッド
テーラーメイド「ステルス2」

適度にスピンが入ってくれる

出球の低さとスピンの入り方が秀逸で新しいモデルになかなかチェンジできないという2本のフェアウェイウッド。打ち分けられる距離の幅が広いのも手放せない理由

アイアン
タイトリスト「620CB

シャフトは「NSプロ PROTOTYPE System3(X)」。しっかり感と粘り感がバランス良く共有されている。球を運ぶようなイメージで打てる点も使用理由の1つ

パター
オデッセイ「Ai-ONE CRUISER ARMLOCK #7」

ずっとアームロック信者です

アームロックは長年続けているスタイルで、現状は替えることはないとのこと。再現性が高くストロークが安定する

ロングアイアンは楽にキャリーが出せるモデルを使用

ロングアイアンは4番が「T200」、5番が「T150」。ユーティリティが苦手という金子にとってロングアイアンも欠かせないクラブの1つ。低く出て、そのあと高く上がる弾道でグリーンを狙う

金子駆大の14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2025年6月号より