打点が20mmズレてもカップイン!? “ヘッドがブレない”『スパイダーGTx トラス』の噂は本当だった【ギアラボ】
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「インパクトでヘッドがブレない」と女子ツアーを中心に大人気のトラスホーゼルのパター。今回登場したモデルは、前作よりも安定性を高めた深重心のスパイダーヘッドに専用の軽量トラスホーゼルを装着した『スパイダーGTx TRUSS』だ。果たしてどれほどブレないのか? その実力を徹底検証!
PHOTO/Hiroaki Arihara、Getty Images THANKS/サーパスゴルフ
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今度のスパイダーは
ミスヒットを
限りなくミスパットにしない
プロのパット練習を見ると、いかに芯で打ち、狙ったところに正確に打ち出すかということに心血を注いでいるのがわかる。いくら正しくラインを読んでも、芯を外せば打ち出す方向が狂い、カップインの可能性は著しく低くなるからだ。
プロでもミスヒットは避けられない。アマチュアならなおさらだろう。それらのミスヒットを極力ミスパットにしないことを追求したのが『スパイダーGTx トラス』だ。
超深重心で慣性モーメントが大きく芯が広いことに加え、テーラーメイド自慢の元祖三角ネック「トラスホーゼル」を採用。この相乗効果によりフェースセンターを外したパットでも、ヘッドがブレず、ボールを狙った方向へ打ち出せるという。
このブレない性能に加え、マキロイも絶賛する人間工学に基づいた「トゥルーパスアライメント」というラインが、正確な打ち出しをサポート。また複合素材の「ピュアロールインサート」がボールに力強く順回転を与え、カップへと突き進む。
ミスをミスにしない機能満載の『スパイダーGTx トラス』、これこそが14本の中の最強の1本になる可能性はかなり高い。
狙ったところに“正確”に打ち出せる4つの理由
ブレない理由 1
154gものバックウェイトによりミスヒットに強い大MOIヘッドに
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前作『スパイダーGT トラス』もミスヒットに強く安定感を意識した作りだったが、今回の『スパイダーGTx トラス』は安定感をさらに追求。154gものバックウェイトにより、元来のスパイダーらしく大慣性モーメントの効果で直進性能やミスヒットへの寛容性を高めている。この高質量のウェイトによりヘッドもコンパクトサイズに抑えられ、プロや上級者にも構えやすいと評判だ
ブレない理由 2
芯を外してもトラスホーゼルがヘッドのブレを抑え込む
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ブレないポイントの2つ目は、おなじみ「トラスホーゼル」。ヒールネックタイプの『TM1』、センターシャフトタイプの『TM2』ともにトラス部分を広くとることでフェースのねじれを抑制、芯を外しても打ち出し方向がズレにくい構造だ。トラスホーゼル部分は大きいが、素材は比重の軽いアルミを使用するため、重心は適正な位置に保たれている
ブレない理由 3
狙い通りに構えやすい人間工学に基づいたアライメント
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マキロイのスパイダーといえば『スパイダー X』だが、そこに採用されている「トゥルーパスアライメント」という太い線を今回復活させている。人間工学を用いたヘッド後方が矢羽根のように広がったデザインは、ターゲットに狙いを定めやすいという。このアライメントがマキロイは大のお気に入りで、前作で採用しなかった際には、マキロイが苦言を呈したという話も
ブレない理由 4
樹脂とアルミの複合インサートが打ち出しから順回転を生む
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ボールはインパクト直後にすぐ順回転を始めるほうが芝などの影響を受けにくく、直進性に優れる。そのための機能が「ピュアロールインサート」だ。樹脂のベースにアルミ製の刃が下向き45度の角度で差し込んである仕組み。深重心によりアッパー軌道で当たることに加え、アルミ部分がボールに食いつき、強い順回転を与える。樹脂の効果で打感はマイルドだ
圧倒的な直進性能と
ミスへの強さを求めるなら
『TM2』がいい!
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計測・解説/星谷孝幸氏
パッティングロボットや解析装置などを開発するパットの専門家で、本誌でも長年連載を担当。また最近はスウィング動作矯正ロボットを造るなど、科学でゴルフが上達する活動を精力的に続ける。㈱サーパスゴルフ代表
『スパイダーGTx』には、シングルベンドやスモールスラントというネックもあるが、注目すべきはやはり「トラスホーゼル」の「TM1」と「TM2」だろう。高い直進安定性や寛容性を目指した新スパイダーにおいて、トラスホーゼルとの合体はその最たるものとなっている。パット研究家として著書もある星谷孝幸氏は、『スパイダーGTx トラス』での打球を測定し、次のように語る。
「独自に開発したパットロボとパット解析器によるパター試打で、その打ち出し角を計測しました。フェースセンターで打った際の方向安定性はもちろん優れていますが、トウ、ヒールにそれぞれ20ミリずらした際でも1メートルの距離で左右にわずか0.7度に収まりました。距離を伸ばして5メートルで計測すると、ギア効果も相まって、左右に0.4から0.5度と、よりブレ幅が減少。さまざまなパターを計測してきましたが、ここまで大きくセンターを外してこの数字というのには驚きました。極めてミスヒットに強いですね」(星谷)
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テーラーメイドのみならず、他メーカーもこのネックに注目しているが、本家とも言えるテーラーメイドの「トラスホーゼル」の特徴は、三角形の底辺部分、つまりヘッドとの接合部分の長さにある。この長さが長いほど「トラス構造」の効果は高く、インパクト時のヘッドのブレを抑え込むのだ。
「TM1」、「TM2」ともに高い直進安定性と寛容性を有するが、そのなかでも多少の操作感や、ややイン・トゥ・イン軌道でストロークしていきたいプレーヤーは「TM1」、ミスヒットへの寛容度が最大で、ストロークもストレート軌道を意識したいプレーヤーは「TM2」が合う。従来のセンターシャフトタイプは、シャフト軸線上(芯)でヒットしやすいメリットがある一方、センターを外すとヘッドのブレが逆に大きくなるというデメリットもあった。しかしトラスホーゼルで固められていれば、センターシャフトのメリットを生かしつつデメリットも完全に消せる。最もやさしいパターがこの「TM2」かもしれない。
三角形の“底辺”の長さに注目
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構えると“トラスホーゼル”は気にならない
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カラーバリエーションも豊富
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TM1……レッド、ブラック、デューンシルバー、アイスブルー、ホワイト
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TM2……レッド、ブラック
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初優勝を遂げた山内日菜子もミスパットの減少を実感!
「アクサレディス」で初優勝した山内日菜子。勝利の瞬間手にしていたのが『スパイダーGTx トラス TM1』。「トラスホーゼルのこのモデルにしてミスが減り、ロングパットの距離感や方向性が合わせやすくなり、勝負どころでも安心して打てました
重心位置を変えられる
“カチャカチャ系”
スパイダーも誕生!
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『スパイダーGTシリーズ』の“コンセプトモデル”的な新種が『スパイダーGT MAX』という、カチャカチャ機能を搭載したモデルだ。ご覧のようにソールにスライディングウェイトが施されていて、これを動かすことで後方重心、センター重心、前重心と無段階に調整が可能。より直進性を高めたければ後方重心に、操作性を入れたければ前重心にするなど、好みに応じて自由自在だ。
こちらも前出の星谷氏に測定をお願いしたところ、「センター重心を基準にすると、3メートルの距離で、前重心はマイナス10センチ、後方重心だとプラス10センチと、転がる距離に差が出ました」とのこと。その日の感覚やグリーンコンディションに合わせて調整もできる。
また上級テクとして、トウとヒールそれぞれ異なるポジションに設定して完璧にカスタマイズすることも可能だ。
80gのウェイトが自在に移動!
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もちろんトラスホーゼルを搭載
『スパイダーGT MAX』にもトラスホーゼル。慣性モーメントの大きいヘッド+トラスホーゼルによって、ミスヒット時のフェースのねじれを抑え、直進性の高いボールを打ち出せる
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所有感たっぷりの
「TPコレクション」からも
“トラス”が登場
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月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より