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インフレで窮地! スコットランドの老舗コースがクラウドファンディングで復活

1888年開業のニューバーグ・オン・イサンGC(スコットランド)がクラウドファンディングを使い、復活に成功した。

イギリスの電気料金をはじめとするインフレについては既報したが、先の8月、同クラブはSNSに「収入が必要な経費をサポートできない状況になっている。そのため私たちは私たちの歴史あるクラブの将来を安定したものにするために、あなたの助けを求めている」と投稿し、クラウドファンディングを始めたことを明らかにした。

当初の目標は5000ポンド(約85万円)だったが、最初の1週間でそれを大きく超え、最終的には8万2000ポンド(約1400万円)が集まったのだ。

寄付の見返りに、例えば100ポンドで朝食付きのラウンド券4人分を発行したほか、最高5000ポンドでパッティンググリーンの脇に寄付者の名前入りプレートを立てるなど、いくつかのプランを用意していた。ただ、見返りを求めない純粋な寄付も多く、匿名で2万5000ポンドの寄付もあったとか。

コロナ禍で休業した際には新たにメンバーを募集したり、「さまざまな立て直し案を模索したうえでの提案だった」というクラウドファンディングだが、目標が5000ポンドと少額なあたりも、本当に必要な金額だけを求める誠実さを感じさせる。

「(インフレとの)闘いは終わったわけではないが、これでようやく前に進むことができるレベルに立てた」とは同クラブのジョナサン・ドブソンキャプテン。

134年の伝統を誇るクラブとはいえ、クラブハウスは建て替えられてモダンな造り。コースも改造を重ね、19世紀の面影はない。あるいはそんなクラブだからこそ、プレー代や年会費を値上げするのではなく、クラウドファンディングを思いついたのだろう。もちろん、クラブが伝統的に地元に根付き、愛されているからこそ、それが可能になったと言えそうだ。

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月22日号より

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