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水不足に人手不足…ゴルファー増もコース管理が間に合わない! イギリスのゴルフ場が抱える悩み

コロナ禍でゴルファーが増加したことは喜ばしいが、一方でイギリスのゴルフ場は窮地を迎えているという。いったいなぜか?

先ごろ発表されたイングランドの4〜6月の第2四半期のゴルフコースの入場者数は343万人で、コロナ前の19年の同時期に比べると83%もアップしている。

これはゴルフコースにとって嬉しいことに思えるが、実はそうも言ってはいられない。というのも、入場者が増えたことによって芝へのストレスが増したことに加え、今年は2度の熱波を含む、暑く乾燥した天気が数週間続いたことで、特に南東部のゴルフ場は水不足に苦しんでいるのだ。

ロンドンの南東部にあるケント州(イングランド)のノースフォアランドGCでは、散水用に使用していた池の貯水率が30%まで落ち込み、散水を水道水に頼らざるをえない状況。にもかかわらず、水道水を使うための工事をした直後、水道各社によって水の使用制限が開始される事態に陥ってしまった。「40年間コースを見てきたが、この夏ほど厳しい状況を経験するのは初めて」と語るのは、マネジャーのサイモン・ブランド氏。

さらにコース管理の問題に拍車をかけているのが、イギリス全土で起こっているゴルフ場の人手不足。コロナ禍で一旦解雇された従業員の多くが、ポストコロナになっても戻ってこないのである。求人の半分しか応募がないとゴルフコースの求人会社は嘆くが、特にグリーンキーパーやコース管理スタッフが不足しているそう。「コロナ禍によって家族の絆を再確認した人たちにとって、週末の休みもなく早朝から働かなければいけないコース管理の仕事が嫌われている」というのだ。

名門と言われるコースは別だろうが、グリーンフィーも値上がりしているうえ、混雑し、芝のコンディションも悪いとなれば、せっかく増えたゴルファーも減ってしまう。この状況が落ち着くのには、ちょっと時間がかかりそうだ。

ゴルフ場にとってまたとないチャンスだけに、悩ましい問題だ(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月6日号より