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「どのティーから回ってもOK」“選択制ティー”がこれからのスタンダードになる?

ティーイングエリア(以下ティー)の数や名称を変えるゴルフ場が全国に広がっている。その理由は?

埼玉県にある武蔵CC(豊岡C、笹井C)では、このほど飛距離に自信がないゴルファーのために、ティーを新設した。豊岡Cでは、いわゆるフロントティー、レディースティーを16ホールに新設し、すでに使用を始めている。8年ほど前にコースを改造し、ティーを新設している笹井Cは3番ホールのみ追加。あわせてティーの呼称を変更した。バックティーを「ブラックティー」、レギュラーティーを「ブルーティー」、フロントティーを「ホワイトティー」、レディスティーを「グリーンティー」に変更。

変更した理由を豊岡C総務課、石崎清光氏は、「老若男女、ご自分の技量や飛距離、体調に応じて、どのティーからでも自由に回ってくださいということです」と話し、同CCでは、これからティー選択制で競技も行っていく予定だ。しかし月例では、グランドシニア向けだったホワイトを使用する人は非常に少なかったという。

アイデア満載で知られる吉川インターGCメッチャ(兵庫県)では、早くからUSGA(全米ゴルフ協会)が提唱している「Tee it FORWARD」(もっと前からやろう)を実践している。USGAの決めた距離のガイドラインに沿って、5つのカラーリングでティーを設けている。

「選択制ティーは普及していきますよ。2025年問題、つまり団塊世代がゴルフをやめるであろう時期に、少なくともこれを踏みとどまらせる手段の1つにはなると思います。加えてスコアアップを狙える選択肢が増えることは、これから参入するゴルファーにとっても望ましいことだと思います」(ゴルフ場経営コンサルタント・菊地英樹氏)

競技ならば高齢者、女性を含むすべてのゴルファーが上位を狙える仕組みになったと言えそうだ。

団塊世代だけでなく、ビギナーにとっても有益な取り組みだ(PHOTO/Yasuo Masuda)

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月2日号より