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既存の芝刈り機に取り付けるだけで自動運転化! 画期的システムがゴルフ場を救う?

いまゴルフ場業界は、特にグリーンキーパーなど管理部門の人手不足に悩まされているという。その救世主となるべく、新たなシステムが開発された。

芝浦工大工学部先進国際課程・長谷川忠大教授、西武建設(株)、(株)ミライトの三者共同で開発したゴルフ場芝刈り機のロボット化システム「HerbF」(ハーブエフ)が注目されている。

実は無人自動芝刈り機はこれまで2社が開発し、すでに稼働している。ひとつはGPSを使い、記録された経路どおりに芝を刈っていくタイプ。開発したのは共栄社で、PGM系列のゴルフ場で使用されている。

もう1機は、マミヤ・オーピーが開発した「自律走行システム搭載芝刈りロボット」だ。こちらはPCで操作されるタイプで、これもオリムピック系列のゴルフ場で稼働中だ。

これら2機と今度のハーブエフは、なにが違うのか?

西武建設企画部の北村亮氏は次のように話す。「何といっても低コストで購入できることです。というのも、ハーブエフはゴルフ場がすでに保有している芝刈り機に取り付けて自動化できるからです。取り付け実験は公開して、成功しています。ただ価格は未定です。自動芝刈り機の新車はこれまでありましたが、後付けによる自動化は本システムだけです」と胸を張る。

後付けで自動化するには、芝刈り機を制御する必要があるが、そのプログラムを特許申請中という。

「安価な自動芝刈り機ができれば、ゴルフ場にとっては福音になる」というのは、ゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏だ。

「ゴルフ場の芝管理部門の人手不足は深刻。そもそもゴルフ場はアクセスが不便なところが多く、野外での仕事となると、若い人が集まりにくいんです。自動芝刈り機の導入は、その解消に役立つし、何より労災保険が不要なのは大きいですね」

人手不足に悩むゴルフ場にとっては強い味方になりそうだ。

既存の芝刈り機に取り付けられるというのはゴルフ場にとってもありがたい

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より