Myゴルフダイジェスト

コースから白杭がなくなる!? 全国のゴルフ場でリニューアル工事ぞくぞく

2019年のルール改定以降、日本のコースからOBの白杭が少なくなり、レッドペナルティーエリアの赤杭に代わってきている。

ゴルフ場は開場50年も経てば、茂りすぎた樹木を伐採したり、芝に侵食されて境目のなくなったバンカーのエッジを切り直したりするなどの改修工事が必要になる。全国で盛んにそのリニューアル工事が行われているが、熊本県にある中九州CCもそのひとつだ。

目新しいのは改修工事のほか、これまでのOBゾーンを見直し、赤杭へ変更しようとしていることだ。その見直し作業を行っているのはJGTOチーフ競技委員の加納美智雄氏ら。氏はツアーの競技委員を長く務め、ルールの“生き字引”として知られる。

「19年のルール改定の大きなポイントの1つに、レッドペナルティーエリア重視があります。主要な試合ではイエローペナルティーエリア(黄杭)でも、一般ラウンドには赤杭でと。OBは本当の外周のみで、コース内はむろん、外周からコース側に切れ込んだ谷や林、岩などのエリアは、ローカルルールでレッドペナルティー救済を受けられる赤杭に変更することが認められているのです」(加納氏)

加納氏がこれまでツアー競技のコースの見直しを行ったのは、名古屋GC和合C(中日クラウンズ)、富士桜CC(フジサンケイクラシック)、ザ・ノースカントリーGC(セガサミーカップ)、札幌GC輪厚C(ANAオープン)、太平洋C御殿場C(太平洋マスターズ)、フェニックスCC(ダンロップフェニックス)、それに川奈ホテルGC富士C(フジサンケイレディス)などだ。

川奈ホテルGC社長、井上画期氏は「2年前に試合だけで設定していましたが、今年4月から一般営業でも使用することになりました。これでOB杭は1本もなくなりました」と言う。

川奈ホテルGC富士CにはOB杭が1本もなくなる(PHOTO/Akira Kato)

白杭から赤杭にする効用は?「レッドペナルティーでの救済ということは、球が横切ったと思われる地点からのラテラル救済が受けられます。OBと違い距離の救済を受けられるので進行を早めることができるんです」(加納氏)

前出の中九州CC社長の田中徳市氏も「OBだと元の位置からの打ち直しで“2打罰”の気分ですが、レッドペナルティー救済を受けられるとなれば、挑戦欲をかきたてられると思いますよ。失敗しても前から打てて1打罰で済むのですから。第一、コースの見栄えがよくなります。“世界基準”のリニューアルができたと自画自賛しています」

白杭から赤杭へ。この傾向は強まりそうだ。

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月16日号より