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【只今コージ中!】Vol.96 個性派ゴルファーにはクセ者なフランス車を! 新型シトロエン「C5X」

ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第96回はシトロエン「C5X」の実力をチェック!

PHOTO/Hirohiko Mochizuki THANKS/加茂ゴルフ倶楽部

小沢コージ
各種メディア連載をはじめ、TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」(毎週土曜17時50分~)に出演中。YouTubeで「KozziTV」を配信。ゴルフ歴は約20年のエンジョイ派でハーフラウンド好き

世の中面白いものでアダム・スコットのように美しいスウィングで名をはせるプロもいれば、マシュー・ウルフのような個性的なスウィングで強さを発揮するプロもいます。そんなクセ者ゴルファーたちにぜひ試していただきたいのがシトロエンのフラッグシップ、C5Xです。

シトロエンといえば1960年前後に、独創の超空力スタイルと足回りを持つ一連の名車がありました。ガスとオイルで動くハイドロニューマチックサスペンションを持つ宇宙船のようなクルマたちです。独特の乗り心地は「マジックカーペットライド」とも呼ばれた柔らかさでした。その末裔がC5Xなのです。

スタイルはイマドキの薄型LEDヘッドライトやシトロエンのニューアイコン、V字型シグネチャーこそあれ、かつての名車DSやCXを彷彿させる空力優先フォルム。それでいて全長×全幅×全高は4805×1865×1490mmと微妙に高め。実はセダンとステーションワゴン、その上SUVの要素も備えた新世代クロスオーバーフラッグシップなのです。


インテリアはかつてほどのアヴァンギャルドさこそないものの、ゆったりとした水平基調と一部フラット形状のD型ステアリングが特徴。また現状最大級の21インチサイズで浮かび上がるバーチャルディスプレイと12インチのセンターディスプレイ装備。デジタル感も十分です。内装マテリアルにも日本人デザイナーが選んだユニークなテキスタイルを使用。乗るなり他にない世界観が体感できます。

走り味ですがパワートレインは現状180馬力の1.6リッターガソリンターボのみ。スペック以上のパワー感ですが、時折ペダルの動きに加速が付いていかないクセがあります。またブレーキはストロークではなく踏力でコントロールするので慣れてないとギクシャク。でもそこもシトロエンらしい。

足回りはかつてのハイドロの乗り心地をショックアブソーバーで再現したというプログレッシブ・ハイドローリック・クッション標準装備。現代的な硬さの中に不思議な柔らかさがあります。

唯一残念なのがラゲッジで、容量は545Lと広いのですが横幅が足りず、キャディバッグは2本積載が精一杯。しかしこれまた個性といえば個性。王道ドイツ車に飽きたゴルファーたちよ。タマにはこういう個性派もアリでしょ?

(左) 荷室容量は545L。フランス車の性か、左右にくぼみがなくキャディバッグは斜めにして2本積載/(右上)ゆったりとした水平基調と一部フラット形状のD型ステアリングが特徴的/(右下)名車DSやCXを彷彿させる空力優先フォルム


シトロエン

C5X

全長×全幅×全高/4805×1865×1490mm
メーカー希望小売価格/530万円~

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号より