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【ゴルフの、ほんとう】Vol.732「ゴルフのレベルはショット力とマネジメント力の掛け合わせ」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

前回のお話はこちら


YouTubeでプロがマネジメントの話をしていましたが、言っていることが分かりませんでした。レベルに応じたマネジメントがあるとは思いますが、打つ技術以上にマネジメントが優れている人っているのでしょうか。(匿名希望・41歳・HC17)


インターネットの普及で、誰もが世界へ向けて発信する時代。

ですが、画面に登場する人物が、ただゴルフの持論を述べるだけでは、視聴者は限定されるかもしれません。

SNSは個人が好きなように発信できるとはいえ、受け取る側にしてみれば、メディアのプロが制作する映像と分け隔てなく評価しますから、いろいろと評価が分かれても仕方がありませんね。

さて、ゴルフにおけるマネジメントには大きく分けてコースマネジメントとショットマネジメントの2つがあります。

次の一打をどこへ打つかを計画するのが前者で、どんなボールを打つかを決めるのが後者です。

ヤーデージブックなどに掲載されている各ホール図の多くは真上から見た略図で示されていますが、ゴルフコースはヤーデージブックのように平面ではありません。


コースは起伏に富んだ立体的空間で、前方に覆いかぶさる木や、谷へ向かって落ち込む急傾斜といった、平面図では分からない地形が目の前に広がっています。

つまり、攻略方法は真上から見た平面的なルートのみならず、障害物や危険地帯を避けるための「立体的な球筋!」を考慮に入れなければならないわけです。

そのため、同じホールのティーショットでも、プレーヤーの技量によって目標も違えば攻めるルートも変わって、平面図では直線に見える攻略ルートも、持ち球がドロー系かフェード系かによって、実際には違う空間を飛ぶわけです。

どのルートを、どんなショットで攻めていくかという選択は、自分なりの考えはもちろん、一緒にラウンドするゴルファーを観察しながら、さまざまな攻め方を見ることで想像(イメージ)が増えていくものだと思います。

それが、経験を積みながら学ぶということでしょう。

プレーヤーによってマネジメントは違います。それは飛距離の差もありますが、球筋の違いによって差が出ると思います。

いわゆるドロー系の選手とフェード系の選手では、攻略ルートが違ってくることが多いということです。

そして、ターゲットの置き方が違うところへもってきて、そこへショットをミスする確率が加算されて、結果的にスコアメイクの差になって出てくるのが、ゴルフというゲームです。

一般的にその人のゴルフレベルは、ボールを打つテクニックと、そのショットをどこへ向けるべきかを判断する能力で決まります。

要はショット力とマネジメント力の掛け合わせで測られるといっていいでしょう。

2つは別物かというと、そうではありません。

安定したショットを見当違いの方向にしか打てない、なんてことは考えづらいです。

だから、「マネジメント力が打つテクニックをはるかに超えているゴルファー」はいないですし、2つは不可分の要素なのです。

ただし、突如として「こんな球が打てる」というイメージが湧いて、やってみると今までにない球筋が打てた!ということはあり得ます。

マネジメントはイメージがもとになっているもの。そのイメージをどこまでも追いかけるからこそ、ショット力も向上していくことはあります。

そうしたイメージと技術の追いかけっこ、言い換えれば、実践的な練習のなかにこそ、ゴルファーとしての成長があるのだと、わたしはいつも思っています。

「ショット力を支えるのがマネジメント力です」(PHOTO/Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月13日号より

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