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【只今コージ中!】Vol.89 真夏の日帰りゴルフも問題ナシ? 気になる“軽EV”日産「サクラ」の実力検証

ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第89回は日産「サクラ」の実力をチェック!

PHOTO/Takanori Miki MODEL/Kanon Miyake(GOLULU) THANKS/カメリアヒルズCC

小沢コージ
各種メディア連載をはじめ、TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」(毎週土曜17時50分~)に出演中。YouTubeで「KozziTV」を配信。ゴルフ歴は約20年のエンジョイ派でハーフラウンド好き

世界で叫ばれるEVシフト! その是非はさておき、小沢が考えるニッポン向けEVの本命は新型軽EVの日産サクラと三菱eKクロスEVです。なぜならバッテリーEV普及には3つの壁がありそれは「価格」と「航続距離」と「充電時間」。EVの中身で一番高いのは駆動用のリチウムイオン電池で、車両価格のざっくり半分がそれという説も。よってキモとなるのが「搭載電池量」。電池を小さくするとEVは安く買いやすくなりますが、航続距離も短くなる。そのバランスをどこに置くかが最も重要なのです。


今回サクラが取ったのは20kWhという絶妙な容量。正直、テスラやトヨタの本格EVに比べて半分以下ですが、その分価格も半分以下。軽としては高いですが、普及グレードで約240万円。国の補助金55万円を考えると185万円で、ガソリン版の軽とほぼ変わらないのです。同時に電気代はガソリン代の半分以下であり、税金も減税対象なので維持費的にはお安くなる。残る問題は航続距離で、電池量は本格ミディアムEVの半分以下ですが軽は軽くて効率がいいのでWLTCモードで180km。これでどれくらい日常的に使えるかが最大の焦点なのです。

日常の買い物は往復30kmも走れれば十分なのでOK。ただし、月イチゴルファーの小沢的に近場ゴルフ場ぐらいは行きたい。具体的に東京周辺の自宅から何km離れたゴルフ場に行けるのか。それも真夏にクーラーをガンガンかけた状態でどこまで行けるのかが気になる。まずは高速で約50km離れたゴルフ場、カメリアヒルズへほぼフル充電で向かうことに。

まず、ガッカリしたことにスタート時点での航続距離表示はなんと150km! クーラーを付けたら減って130km! 180km表記はウソ!? と思ったら、走り始めると違いました。高速の時速80km巡航は効率的で、クーラー25度設定でもカメリアに着いて残走行距離101km。バッテリー容量も66%と余裕。プレーし、自宅まで往復110kmで充電量は残り25%あり、あと40kmほど走れる感じ。

またラゲッジはリアを倒さねばキャディバッグを1コも積めませんが、加速性能、乗り心地、静粛性は一般車並み。移動クオリティは軽レベルを超えています。

もちろんロングドライブはオススメできませんが、真夏でも近場のゴルフ場なら楽勝で無充電往復が可能なのです!

(左)ラゲッジ容量は107Lと当たり前だがコンパクト。キャディバッグを積載するにはリアシートを倒すことになるが、2人で行くなら必要十分だ/(右上)アリアやノートと同じように「モノリス」と呼ばれる統合型インターフェースディスプレイが備わる/(右下)背の高い軽ハイトワゴンで乗り降りもラクラクだ


日産

サクラ

全長×全幅×全高/3395×1475×1655mm
メーカー希望小売価格/239万9100円~

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月13日号より