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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.93「キャディさんに距離もラインも一切聞かない人に興味が湧きます」

KEYWORD 奥田靖己

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/ Masaaki Nishimoto

前回のお話はこちら

ゴルフは性格が出るといいます。ただ、抱いておった印象と、上手いか下手かというのはだいたい合ってるんやけど、性格的なもんは、全然違っとった人もいます。この人暑苦しそうやなと思ったけど、意外とスマートやったという人、たまーにいます。

僕もいろいろ色眼鏡で見てるんでしょうね。素直にこう、見られてないんですよね。わからんですよね、人間ってね。どっちがホンマかわからん。

でも、ゴルフ歴が長くて、スコアもそこそこで回ってて、それで能書きばっかり言うやつが一番暑苦しいです。プロにもいます。


だからアマチュアの人で、キャディさんにも何も聞かない、距離も聞かない、ラインも聞かない、黙って回っておる人を見たら、すごいなと思う。その人がなんぼ下手でも。「これキャディさん何ヤード?」とか「これ左OB?」とか、一切聞かんと回ってるおっちゃん、おります。こいつやるなあ、どこで育ったんかなあ、というくらい興味が出てきます。

昔、あるゴルフ場のオーナーさんで、100くらい叩くんですけど、水たまりに入ったボールを、普通は“火事場のボール”言うて拾って出すんです。それも出さんと打つ人がおったんです。

背丈はタイガー・ウッズと一緒くらいですけど、球は全然飛ばなくてめっちゃ曲がるし、めっちゃ下手ですわ。でも、火事場のボールは出しませんでした。ベチャーッて打っていってました(笑)。

そういう魅力的な人は、人に魅力的に思ってもらいたいから、とやっているわけではないんでしょう。自分で自然にやっていることなんでしょうけれどね。でも、ゴルフっていうのはこうやってやるんだ、というポリシーでやっているわけです。そういうところに惹かれます。

逆にキャディのせいにする人もおります。「キャディさん、100って言ったやろ。そんなに距離ないやん」とか。打ったのはお前や! と言いたい。プロにもいっぱいいます。キャディさんに「ちょっとフックか?」と聞いて「フックと思います」と言われて、曲がらんかったら、「曲がらへんやん!」って。自分がそう思うなら、そう打ったらええですよね。

最近ホンマに暑いけど……暑苦しい人にはなりたくないですね

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より