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【ゴルフせんとや生まれけむ】こぼん<後編>「仙台からヘリで大宮。バブル時代の思い出」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続きお笑い芸人のこぼん氏。

前回のお話はこちら

私中学時代はバレーボールと水泳をやっていたんですけど、高校は演劇部で芝居に夢中になっていたので、もともと文化系なんですね。相方のおぼんちゃんが高校球児でアスリートだったのに対し、私は静かに芝居の脚本を考えるほうが好きだった。だからゴルフも、スコアより19番ホールが楽しみなタイプなんですね。

でも、一度だけ70台を出したことがあります。40・39の79。新潟GCで、OBになりそうなのが木に当たってフェアウェイに戻ってきたりの奇跡が起こって、これが生涯ベストスコアです。


ホールインワンも1回経験があるんです。いわきGCで130ヤードのパー3を8番アイアンで達成しました。でも、私自身はティーを拾っていて、カップインの瞬間を見ていないんです。同伴競技者が「入ったぞ、入ったぞ!」と大騒ぎしていて、グリーンに上がったら本当に入っていた。このときの景品がすごくてね「成田-パリ往復航空券1人分」。換金などはできなくて、行かなければパーだって。でも、パリまで1人で行って何するんかいなと思って(笑)。結局、もらわずに、キャディさんにチップを3万円あげて終わり。バブリーな時代だったんですね。

バブルといえば、ゴルフでは超バブリーな経験をしていますよ。営業で、不動産関係の人たちのゴルフコンペのパーティの司会を頼まれたんですけど、これが物理的に不可能な条件だったんです。当日、私は仙台で仕事が入っていたんですけど、終わって1時間後に大宮のゴルフ場にきてくれという。「そりゃ時間的にとても無理です」と伝えたら「ヘリを飛ばすから」と言うんです。そしたらホンマにヘリが迎えにきて、ゴルフ場の駐車場でホバリングしている間に飛び降りて仕事をしたんですけど、そのギャラがなんと100万円。いまでは信じられない話ですけど、いい時代でしたね(笑)。

好きなクラブはとくにないんですけど、グリーン周りはけっこう好きですね。なかでも砂場は大好き(笑)。いや、バンカーショットが上手いわけではないんです。下手だけど好き。バンカーショットって、飛ばすショットじゃないし、コツを覚えると軽く振ってポンと飛び出すでしょう。グリーン手前にガードバンカーがあると、避ける人が多いけど、私はグリーンを狙って深いラフに入るよりもあえて最初からバンカーを狙って打ったりします。あれ、一発で出たときの快感が最高なんですよ。

ゴルフをやって良かったこと? それは間違いなく友人関係が広がったことです。芸人仲間の交流では考えられないスポーツ界や俳優さん、タレントさんまで多彩な人たちと知り合えました。自分のコンペにきてもらう代わり、向こうのコンペにも呼ばれて月に4~5回はラウンドしていましたね。

ここ数年は、楽器の練習のやりすぎでバネ指になってしまって、しばらく休んでいます。でも歳をとってからも遊べるのはゴルフだけかなと考え、いま再起を目指してクラブを磨いているところなんですよ(笑)。

こぼん

1948年生まれ。大阪府出身。お笑いコンビ「おぼん・こぼん」のツッコミ担当。1965年にコンビ結成。80年NTV「お笑いスター誕生」で10週連続勝ち抜き、グランプリを受賞して一躍スターダムに。近年は浅草東洋館を中心に演芸場などの出演が多い。

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より