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【ゴルフせんとや生まれけむ】 宮本慎也 <後編>「池ポチャからの“ホールインパー”」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元プロ野球選手の宮本慎也氏。

前回のお話はこちら

昨年5月に男子ツアーのゴルフパートナーPRO-AMトーナメントに出場させていただいたときの取材の際にはベストスコア71とお答えしていたのですが、その後にコンペで68が出ました。ただ、白ティーからのプレーでしたから、自分の中では“参考記録”という位置づけです(笑)。白ティーだとドライバーの調子がよければ残りはアプローチというホールが多くなりますし、そのときは長いパットが入りました。バーディが6個取れて、ボギーが2個。

ただ、18ホールを通じてドライバーの調子がいいことはほとんどありません。失敗してもグリーンが狙える幅で収まってほしいのですが、ビューンと曲がってしまって全然狙えないホールが必ず出てきます。8月にマルハンカップ太平洋クラブシニアに出場させていただいたのですが、プロは絶対にそういう失敗をしませんからね。ドライバーショットをもう少し安定させたいです。


初日のラウンド後に奥田靖己さんから「ドライバーのボール位置をもう少し中(右足寄り)に入れたほうがいいよ」とアドバイスをいただきました。僕はフェードを打ちたいのでボールを左足寄りに置き、ティーイングエリアの右端から左方向を狙って打つのですが、失敗したときはスライスになってしまいます。それだとクラブがアウトサイドから入りやすいので、ボール位置を変えるとインサイドから入るようになるとのことでした。練習場でやってみたら、そのときはうまくいったんですけど、次の日にティーイングエリアで同じようにやろうと思っても、なかなかうまくいかないんですよね。そこがゴルフの難しいところです。

でも、自分なりの感覚で右ひじが体から離れないように回るとうまく打てることがわかってきて、最終18番パー5で会心のドライバーショットが出ました。かの有名な太平洋クラブ御殿場コースの名物ホールでティーショットをバンカー横まで運び、ユーティリティで2オンを狙うことができました。2日目に同組だった兼本(貴司)さんから「最後のショットは良かった」とお褒めの言葉をいただきました。

そのショットに匹敵するほど印象に残っているのが何年か前に川越カントリークラブで達成した“ホールインパー”です。どういうことかと言いますと、池越えのパー3でティーショットを池に入れ、打ち直したショットがなんとカップイン! その日はマスターズ最終日で、16番パー3でホールインワンが1日に3人も出たんです(16年4月10日にシェーン・ローリー、デービス・ラブⅢ、ルイ・ウエストハイゼンの3人が達成)。それで、そんな話をしながら回っていたら、僕は“ホールインパー”でした(笑)。何番ホールかは忘れましたが、砲台グリーンに乗ったボールが消えた瞬間の景色は覚えています。

今後の目標は「友達を失わないくらいのうまさになりたい」ですかね。谷繁(元信)のレベルまでうまくなると、一緒に行ってくれる人が減りますからね(笑)。僕はその手前のレベルでゴルフを楽しみたいと思います。

宮本慎也

1970年、大阪府生まれ。94年ドラフト2位でヤクルトに入団。97年ゴールデン・グラブ賞を初受賞。01年67犠打でシーズン最多記録を樹立。12年2000本安打達成。18~19年ヤクルトのヘッドコーチ。現在は野球解説者として活躍

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月25日号より